2024.07.17更新日

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医学部受験の過去問の活用方法とは?

受験対策に過去問は必須と言われます。もちろん医学部受験でも定番の方法ですが、具体的にどうやって活用すればよいのか、いつから取り組むべきかなど初めて受験に臨む人はわからないことがたくさんあるでしょう。すでに過去問を始めている人が周りにいると、「自分もやらなきゃいけないのかな?」と焦りを感じることも…

しかし、「人がやっているから」という理由で、過去問をむやみに説くことは悪手です。まず、過去問の具体的な活用方法や取り組む時期を押さえて、過去問に臨みましょう。

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1.医学部受験の過去問の活用方法は?

1-1. 過去問をこなすペースは?

過去問を解くペースは、受験生ごとに大きく異なります。その理由は、「過去問をひたすらこなすこと」が合格に直結するわけではないからです。

まず、過去問を解く前に基礎知識を安定させましょう。受験生の中には、過去問で知識を安定させようと考える人は少なくないでしょう。それは間違った考えではありませんが医学部受験の場合は大変効率が悪い方法になるでしょう。なぜなら、医学部受験の問題は「基礎問題を突き詰めた問題」が多いことと、「受験科目が多い」からです。

「基礎問題を突き詰めた問題」は簡単な教科書の知識だけで解ける問題です。しかし、問題を解くときにその教科書の知識が定着していないと医学部受験の問題を解くのがかなり難しくなってしまいます。そのため過去問を何度も解くよりも、一度過去問を解いたらいつでも100点が取れるような自信がつくまで、不正解した問題の足りない基礎知識を教科書で確認してもう一度演習することが重要になります。

「受験科目が多い」ことも忘れてはいけません。医学部受験では効率よく全科目を勉強しなければなりません。過去問の演習だけではとても効率が悪いといえます。それは、過去問は演習の場であり、知識を効率よく集められる場ではないことを忘れないようにしましょう。

まとめると、過去問の演習ペースは人それぞれであり、多く問題を解いたとしても合格へ繋がるとは限りません。基本的な知識が合格へのカギとなります。教科書を利用した復習をメインにして、どんな問題が来ても基礎知識が利用できるような思考回路を身につけましょう。

1-2. 何年分の過去問を解けばいいのか?

それでは、過去問は何年分解くことが最適なのでしょうか?これも過去問演習のペースと同じく、全ての受験生に共通する答えはありません。

しかし学習プランを立てる上では、第一志望の場合は6年分、第二志望の場合は3年分、それ以降は1~2年分を目安にしましょう。

もちろんこれは理想ですので、受験生がそれぞれ大学の傾向をつかむためにこれ以上の年数を解くことは無駄ではありません。大学ごとの出題傾向を知ることは受験を有利に運ぶことになります。復習が十分にできるなら多くの過去問を解くといいでしょう。

しかし、「過去問をこなすペースは?」でも解説しましたが、合格のカギをにぎるのは教科書の基礎知識です。過去問演習は基礎知識を定着させる手段でしかありません。手段が目的にならないように注意しましょう。

1-3. 過去問の解き方

過去問はなるべく全問通してやるようにしてください。設問ごとに別々の日時にやるとか、特定の問題だけを解くというやり方はあまりおすすめしません。もちろんこれが絶対というやり方ではありませんが、全問通して解かないと本番の試験での時間配分の感覚も掴みやすくなります。当たり前のことですが、過去問を解く目的は本番の試験で合格点を取るためです。本番とは違うやり方でやっても目的としている効果は得られません。それに、本番では90分や120分などの試験は長丁場になりますので、練習の段階でそれだけの長時間問題に取り組めるように集中力を養っておきたいからです。

また、医学部受験は他学部以上に時間がシビアです。本番の試験で実力を最大限に発揮するためには、問題ごとに何分ぐらいかけてよいのかすぐに見極められるようになっておく必要があります。この時間感覚を身につけるのも過去問を活用する目的です。

ただし、自分がどんな問題にどの程度時間がかかるのかを把握するには、その問題の内容がすでに習得済みであることが前提になります。よって、まだ習ってもない分野の問題が混じっていると、正確な時間感覚を掴むことができません。過去問に本腰を入れて取り組むのは、受験範囲の勉強をひと通り終えてからの方がよいでしょう。

1-4. 過去問の復習

過去問を1年分解き終わったら、そのまま放置してはいけません。過去問に限らず、すべての模試や問題集に当てはまることですが、問題は解き終わった後の見直しと復習こそが大切です。

復習のためにも、解き終わったらまず「採点」してみましょう。このとき、何点取れているかが気になりますが、得点の目安となるのは合格最低点です。しかし、合格最低点にぎりぎり達しているぐらいでは安心できません。合格最低点よりプラス10%ぐらい得点できるようになっておく必要があります。

大学によっては問題の配点を公表していない場合があります。配点が公開されていない以上、自分の丸付けの配点が正しいかもわからないため、自己採点の10%上の点数を取る必要があるのです。また、本番には合格平均点を過去問の時点では目指すことが好ましいでしょう。自分で採点ができない場合は、学校の先生や予備校の講師に協力してもらいましょう。

「採点」の次に重要になるのが、苦手分野の「精査」です。

苦手分野にもタイプがありますが、特に、「時間をかければ解ける問題」と「まったく手に付けられない問題」の2タイプに分けましょう。

前者の場合は復習のときに、問題集で苦手ジャンルの思考回路が染みつくまで演習します。後者の場合の復習は、教科書から読み直して知識のインプットをします。この二つの復習方法を使い分けることで勉強効率を上げることができますので、ぜひ試してください。

過去問演習の注意点として、過去問ばかりやらないことが挙げられます。過去問はあくまでも自分の知識を試す「アウトプット」の場であり、「インプット」の効率が悪いです。そのため、解法への思考回路や暗記事項の確認は、すべて教科書や問題集の方が効率的です。過去問は問題集ではありません。ただ過去問を焦って解くのではなく、まずは問題慣れや時間配分を考える場として利用しましょう。

2.医学部受験の過去問はどこから入手できる?

大学の過去問題集として王道のシリーズが各出版社から発売されています。赤本や青本、黒本の通称で呼ばれるシリーズです。出版社によって発売時期は異なりますが、例年5月ごろから9月にかけて書店に入荷されます。

これら過去問のシリーズは、1冊2,000円ほどと少々高いのがネックです。古本屋やフリマなどを利用すればもっと安く入手できる場合もあるでしょうが、古本では過去の持ち主が書き込みをしていることもありますし、そもそも最新年度は簡単に見つかりません。多少コストはかかるといっても、受験対策には必要不可欠なものだと思って書店で新品を買うことをおすすめします。

大学によっては、過去問をオープンキャンパスで配布しているところもあります。もし志望校のオープンキャンパスに参加する機会があるなら、過去問を入手できないか尋ねてみましょう。また、一部の大学では過去問のネット通販を行っています。大学が発売する公式の過去問ですので正当性は間違いないですが、解説が不十分なこともあるので注意してください。

3.医学部受験で過去問を解くメリット

やはり、過去問のメリットは大学ごとの問題形式になれることが一番のメリットであるといえるでしょう。医学部はそもそも他学部と比べて、問題の傾向が大学によって大きく異なります。英語一つとっても長文に医療系の文章が採用されるなど、他学部には見られない問題が多いです。一般的な問題集ではその対策が難しく、やはり過去問を解くことがいちばんの対策になるでしょう。

次のメリットは、自分の克服すべき弱点が明確になることでしょう。過去問に限らず、ふだんの模試についても同じことが言えますが、テスト形式の問題からは今まで気が付かなかった弱点や苦手を発見することができます。何度も問題集をやっているのに気づかなかった苦手や、問題集には載っていない定番問題も中にはあるため、必ず過去問演習はしましょう。

やはり、「医学部受験では過去問の活用がポイント」といっても、ただ問題をこなすだけでは意味がありません。過去問に取り組むことによって、次に似たような問題が出た時に確実に得点できるための実力を養うのが目的です。そのため、解き終わった後の復習までしっかりやってこそ、過去問に取り組むメリットがあります。

4.医学部受験の過去問を解くタイミングは?

過去問を解くのは受験の内容をすべて学習し終わってからです。未修の範囲が多いうちに過去問に取り組んでも解けない問題が多く、解けなかったという感覚が残るだけであまり効率的ではありません。早くから過去問に取り組む人がいても、今の自分は過去問を解くのに適切な状態なのかどうかを考えましょう。ただ焦ることなく、教科書の範囲を全て学習してから過去問演習に取り組みましょう。

また、本格的に過去問を取り組み始めるのは、12月以降でも遅くありません。人によっては、大学入学共通テストが終わった後からでも間に合います。第一志望から優先的に過去問を解き、最低限の年度分の過去問に目を通すことができれば過去問を解き始める時期は関係ありません。ひとつひとつの過去問を無駄にしないように過去問演習に組んでください。

5.まとめ

医学部受験において過去問演習は、必須の受験対策です。可能であれば、第一志望校の過去問6年分は完璧に解けるようにしておきましょう。しかし、過去問に取り組む最大の目的は、合格点を見据えた弱点の発見とその克服です。目的を間違えて、ただ問題をこなすだけにならないように注意してください。

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