2023.10.31更新日

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医学部受験の対策方法をそれぞれ解説

ハードルが高いことで知られる医学部受験は、受験者数が増え、その倍率右肩上がりになっています。これから医学部受験を目指す方は医学部とはどんなところなのか、受験のためにはどのような対策をしたら良いのか分からない方も多いでしょう。そんな方々に向けて今回は、医学部受験の概要とその対策についてご紹介します。

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1.医学部受験とは?

医学部とは、主に医学を研究、教育する学部です。医学部の中には、看護や薬学、生命科学などの学科を設置している大学もありますが、一般的には「医学部受験」というと「医学部医学科」の受験を指します。医学部医学科では、1~6年次まで座学と実習を両立しますが、年次を重ねるごとに実習の割合が増えていきます。修得する内容としては、1年次は一般教養、2年次~4年次には解剖学や生理学、5~6年次には臨床実習となります。医師になるためには、この医学部医学科の卒業試験に合格し、医師国家資格の受験資格を得ることが必須となります。

医学部受験は年々厳しさを増しています。合格に必要とされる偏差値は国公立大、私立大共に最低でも65をマークしなければなりません。ひと昔前までは、高額な学費から進学できる受験者層が限られていたとも言える医学部受験ですが、私立大の学費値下げや医師の将来性、安定性などを様々な理由から医学部への人気は高まり、医学部合格のハードルも上がっています。

医学部医学科の学科試験は、国公立大か私立大かによって試験内容が異なり、受験科目も大学によって違いがあります。

国公立大医学部の場合は、一次試験と二次試験に分かれていて、一次試験は大学入学共通テスト、二次試験は大学の独自問題という構成になります。共通テストの受験科目は5教科7科目としている大学が多く、二次試験は3教科4科目が一般的です。

一方で私立大医学部の場合には、大学独自の試験をメインの選考方法としている大学が多く、その受験科目や問題形式、出題傾向は大学によってまちまちです。中には自分で受験科目を選択出来る大学も存在します。そういった大学は、当然ですが、受験を希望する学生が多くなるので倍率が高くなります。反対に私立の場合でも共通テストを選考に採用している大学もありますので、その場合には国公立大と同様早めの対策が必要になります。

最後に国公立大と私立大の医学部で共通している特徴は、学科試験に加えて面接と小論文による試験が課されることです。ここ最近の医学部受験の小論文では、医師を目指す学生の人間性やコミュニケーション能力を見極める傾向があります。いくら学科試験の点数高くても面接や小論文の評価が悪かったため不合格となってしまうことがあるのです。医学部受験を目指すのであれば、学科試験はもちろんのこと、面接や小論文の対策も重要となります。

2.医学部の科目ごとの対策

医学部受験は目指す大学によって試験科目が異なります。全受験生が同じ科目を勉強する訳ではありません。教科ごとに抑えるべきポイントをここにまとめますので参考にしてください。

2-1.外国語

医学部英語の対策ポイントは、とにかくコツコツと努力を積み重ねることです。医学部合格に必要な条件は、共通テストで9割以上、大学別入試でも6割以上というのが一般的な目安となります。失点ひとつで合否を変えてしまうほど重要な科目です。受験勉強を始めたその日から毎日、単語や熟語など、英語に触れる機会を作っておくと良いでしょう。

具体的な対策としては、まず英単語を覚えることです。医学部受験では基本的な英単語にプラスして医療系の英単語も覚える必要があり、その量は莫大です。通学時間や、睡眠前の時間も利用して毎日コツコツ覚えていきましょう。

英単語がある程度習得出来てきたら並行して文法を学習しましょう。参考書を読み込みながら、演習問題を解き基礎的な文法は完璧に習得してください。その後に長文や読解問題対策を行うとスムーズに受験に必要な英語力が身に付きます。

長文や読解問題は読解力に加え慣れも大切です。最低でも1日1問長文問題を解くことや、時事問題に触れるために英字新聞を読解してみることも有効な対策です。また長文を復習する際には、精読→速度をして文法がすぐにわかるようになるまで復習を繰り返しましょう。

和文英訳や英作文を課す大学への対策としては、過去問を研究し出題傾向を探り自分で作文を作りましょう。文法が不安な場合は塾講師や学校の先生のアドバイスをもらうことが大切です。単語や熟語がまだ不安な場合は、英作文のレベルに達していないことになりますので、単語学習からやり直してステップアップ方式で学習を進めましょう。

2-2.理科

理科は生物、物理、化学があり、大学によって受験科目が異なります。暗記項目が多いこれらの科目は、試験本番までどれだけ記憶を定着しておけるかがポイントとなります。遅くとも受験の半年前までには基礎固めを完成させ、苦手意識を克服する必要があります。

生物は、医学部の根底を学ぶ科目になりますが、考察や論述問もあるため満点は取りにくい科目と言われています。標準問題で点数を稼ぐ必要があるので基礎知識は完璧にしておくことが大前提です。生物は特に暗記項目が多いですが、単に暗記するだけでなくなぜそうなるのかという背景を理解しておくことが高得点を狙う秘訣になります。考察や論述問題は、自分の意見を述べるというよりも、文章の中から回答に繋がる根拠を見つけることが得点するカギになるので、過去問を演習して考察問題になれることが重要です。

物理は、どの大学でも標準問題が出題される傾向にあるので、しっかりと勉強さえしていれば解ける問題も多くなります。まず主要5分野の中で全ての基礎となる力学を重点的に学習しましょう。もちろん公式などを暗記することも大切ですが、その公式を利用して論理的思考を構築出来るよう慣れておく事も重要なポイントとなります。力学をマスターしていれば、その他の熱力学や電磁気も効率よく習得していくことが出来るでしょう。

化学に関しては、理論分野の基礎力が重要になってくるため、問題を何度も解いてスピードアップさせられるように対策を行いましょう。化学の学習範囲が広いという難点を克服するためには、出来るだけ早くから対策を始めることがポイントです。しっかりと理論分野の基礎を身に付け、苦手分野をなくすことを優先し、無機、有機の順に学習を進めていくのがよいでしょう。

2-3.数学

数学は英語と並んで重要視すべき科目の一つです。そして、国公立大を目指すか、私立大を目指すかによってその対策は異なります。国公立大の場合、証明や記述問題を取り扱う傾向が高いので問題数が少なく一つ一つの問題にじっくり取り組む形式となります。一方で私立大学は、穴埋めやマークシート形式で時間に対しての問題数が多いことが特徴です。そのため、時間内に全ての問題に回答できるかが合否を握るポイントになります。

数学においても他の科目と同様、基礎の習得から始め、演習、応用問題をたくさん解いて問題に慣れることが大切です。医学部受験では、弱点が一つでもあると足元を掬われてしまうため、苦手分野を徹底的に潰していきましょう。

2-4.国語

医学部受験で共通テストを受験する際に、事前の予想に反した結果なることが多いのも国語です。国語の試験対策が不十分だったため不合格になってしまったという人も少なくありません。

まず、暗記が中心となる古典を中心に勉強を進めたほうがよいでしょう。文法一つ一つの意味を理解しながら覚えていきましょう。次に読解力が求められる現代文は過去問をひたすらに解き、読むスピードと理解力を高めることがポイントとなります。漢文句法さえ覚えてしまえば、回答できる問題が格段に増えますので、漢字と並行して学習していきましょう。

2-5.地歴公民

地歴公民の効率の良い学習方法は、試験の半年前までには基礎知識を完璧にしておき、そこから共通テスト対策として過去問に取り組む方法です。基礎問題を完璧に理解できていれば共通テストで8割を目指すことが可能です。

地理は暗記だけでは回答出来ない問題もあるので一つの用語を幅広い視点で捉えるようにすると良いでしょう。公民に関しては、暗記しておけば答えられる問題がほとんどです。日本史と世界史は、暗記量が膨大なので早々に対策を始めましょう。世界史では、地図や国ごとに歴史をまとめた表などを利用して効率的に暗記を進めます。日本史は縦軸を中心にひたすら暗記する他ありません。

3.医学部の小論文対策

医学部受験では、多くの大学が小論文を試験項目としています。大学によって出題形式やテーマが大きく異なるので志望校の傾向を予め調査しておく必要があります。出題形式は、文章を読んでそれに対する意見を述べる「文章読解型」やいくつかの資料を読んで問題意識を問う「資料分析型」など様々な形があります。どれも「医師を目指す者としての自覚や本質」を問うものばかりです。

文字数に関しては、600~800文字以内で論述させる問題が2問ほど出題されることが多いです。時間内に文字数の範囲で自分の意見を述べられるように訓練しておく必要があります。普段から読書をよくする人でも、文字をアウトプットする作業はなかなかうまくいかないでしょう。油断することなく文字数制限以内の作文を作る訓練をしましょう。

4.医学部の面接対策

医学部受験において、面接は必須項目です。対話や思想などから、医師としての適性を測られるため、当たり前ですが、医師を目指している受験生との面接なので医師志望理由などで大きな点差がつくこと少ないと思いますが、医師への適性を大きく損なうような解答を無自覚のまましてしまう可能性もあります。医師への適性が無いと判断された場合は筆記試験の点数に関わらず不合格となります。

そのため直前の対策のみではなく、普段から、医師に大切な考え方や、言葉遣い、立ち居振る舞いを学んでおく必要があります。また大学によって個人面接、集団面接など形式が異なり、当日緊張しないためにも色々な面接形式を体験すること受験生にとってアドバンテージになるでしょう。

具体的な対策としては、まず志望動機や自己PRはよく問われる内容になりますので、考えなくてもプレゼンできるような練習をすることはマストです。他にも、大学ごとに頻出する質問や医学部受験でよく出題される質問がありますから、参考書や赤本、医学部専門予備校のデータベースを活用して対策すると合格が見えてくるでしょう。

5.まとめ

医学部受験の対策には、時間をかければかけるほど結果を出せる分野が多く存在します。しかし、忙しい受験生には全てに時間をかけている暇がありません。いかに効率よく受験に必要な知識やスキルを取得するかが医学部受験合格への道を開きます。本記事を参考に、ぜひ夢の実現へ第一歩を踏み出してください。

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