2022.12.14更新日

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医学部受験の数学勉強方法を解説

医学部のある大学は、大学全体の中で1割くらいしかなく、受験生の人気も高いため競争率が非常に高く、他の学部と比べかなり狭い門を通らないと合格できません。国公立医学部の受験は基本的に共通テストでかなりの高得点を取る必要があり、全ての受験科目をまんべんなく勉強しないと合格が厳しいのが現状です。その受験科目の中でも特に数学の重要性は高いです。高得点を取る勉強に時間がかかったり、配点が高いなど、実際に数学に悩みを抱えている医学部受験生も少なくはないでしょう。そこで、医学部受験における数学の重要性や、どのようにして効果的に勉強をしていったら良いかを把握しておくことが、合格の大きな一歩となります。

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1.医学部受験における数学

少なくとも国公立大学における医学部受験は、概ね共通テストと2次試験があり、受験科目が多い傾向にあります。大学によっては不得意科目を避けることもできますが、医学部受験において数学は避けては通れない道です。というのも、国公立医学部受験において数学が受験科目にほぼ含まれるからです。しかも、2次試験では数学Ⅲが含まれるのが普通です。特に有名大学の2次試験の数学は個性的で、大学ごとの対策をしっかりしていないと点数が取れない傾向にあります。

このように、医学部受験では数学の重要性が高く、その出来が合否を分ける大きなポイントとなっています。加えて、数学の偏差値を上げようと努力してもすぐには伸びにくいことも厄介な点です。文系科目は暗記系の問題も多いため、勉強の時間と比例して偏差値が上がる傾向が見られます。しかし医学部入試の数学は一つの知識だけで点数を取ることはできず、数学的な思考や総合的な知識が求められるため、点数という形で明確に努力の成果を見るのが難しいのです。それだけに効果的な勉強法を知り、効果的に時間をかけて対策をしていくことが必要な科目と言えます。

もう一つ覚えておきたいのは、2次試験対策を志望大学に合わせる重要性が高いという点です。有名国立大学では大問形式で毎年複雑でかなり高度な数学の問題を出題します。出題内容には傾向があり、思考力を求める問題や計算力を求める問題など大学ごとに独特の色があります。ですので、基礎的な数学力だけではなく、大学が求める思考法を身に着けるための特化型学習が求められます。そのため、どの大学にも対応できる共通テスト向けの数学の勉強に加えて、特化型学習もしなければならないので、早めに志望大学を決めることが重要なのです。

こうした効果的な学習を実践すれば、医学部の合格率をぐっと高まります。というのも、数学は他の教科に比べて他の受験生と点数差が出る傾向が強いからです。数学は大問5題程度の問題数となることが多く、1問当たりの配点が大きいです。それだけに、手も出ないような問題に当たってしまうと、一気に点数を落としてしまいます。

一方で、完答できなくても、部分点を取れる教科であることは大きなメリットといえます。しっかりと対策を講じていれば部分点で稼ぐことができます。満点まで取れないものの、合格ラインの点数へ一歩ずつ近づいていくでしょう。数学は「知識の有無」が点数を決める教科ではなく、本人の考える力やたくさんの問題を解いてきた経験を活かしやすい教科なのです。

2.医学部受験数学 合格までのフローチャート

まず始めは、確実にどんな問題でも基礎点を取り、点数の取りこぼしがないようにするには数学の基礎を確実なものとすることが何よりも重要です。そのため、いきなり過去問題をこなしていくといった対策をするのではなく、まずは基礎の勉強を徹底するべきです。公式や基本となる問題の解答方法を完全に覚えておきます。大学によっては2次試験でかなり複雑な問題が出されることもありますが、やはり基本となる公式を組み合わせることによってできています。基本がしっかりとしていれば、どんな問題でも対応できますので、まずは基礎を固めるようにしましょう。

その上で、問題の傾向を把握できるようにしていきます。共通テストでも2次試験でも、それぞれの分野で一定の法則があります。どのジャンルの問題がどんな形で出されるのか、たくさん問題演習を重ねる中でイメージをつかみましょう。そして、先に学んだ基本的な公式や解き方のポイントを、実際に問題の中でどのように使っていったら良いのかを考えられるようになります。すると、どんな問題でもその問題がどの公式や知識を問うためのものなのかを自然と分析でき、かなりの数学的思考が身についている状態になります。問題パターンの読み取りスキルを磨き、どのような順序で思考したのか自分で解説できるように訓練しましょう。

次に、たくさんのジャンルの問題を解いていく中で自分にとっての苦手な分野が見つけましょう。前述のとおり、数学は大問が5個程度しかなく配点が大きくなっています。そのため、苦手な分野から出題されると、それだけで相当の減点となる可能性があります。苦手な分野で大惨事を引き起こさないためにも、受験当日までには苦手分野をなくすことが最重要事項です。

そのために重要なことは「苦手分野を分析すること」です。単に過去問題をたくさん解いていくのではなく、ある程度解いた問題数が溜ってきたら、その分析をしてみましょう。ジャンルごとに問題を分けて、どのジャンルがどのくらい解けているかを比較していきます。すると、自分ではあまり難しくは感じていない分野の得点が低いことや、満点がなかなかとれない分野があることに気づくはずです。もしくは、全く分からない問題と確実に解ける問題との落差が大きい分野も見つかるかもしれません。自分の感覚だけに頼るのではなく、こうした客観的な分析をして得点につながる課題を洗い出しましょう。

苦手ジャンルが分かったら、そこを徹底的に攻略します。多くの場合、関係する公式などは分かっているものの、それをどう応用して問題を解いたら良いのかが分かっていないものです。そこで、問題のパターンの読み取りができているかをチェックしつつ、まずはどの公式を使って解くのか方針を立てられるように訓練をします。その上で、公式から求めた答えで大問の答えにたどり着くことができるかを実際に試していきます。こうして単に問題を解くのではなく、どこまで自分ができていて、どこが理解できないのかを把握して、順序立てて問題を解く習慣を付けます。こうすることで、複雑そうに見える問題もすっきりと整理して考えられるようになるのです。こうした取り組みが、数学的思考を育てる「医学部受験のための基本的な対策方法」となります。

しかし、2次試験では更なる対策が必要。まずは自分の志望する大学の出題傾向をしっかりとリサーチすることが重要です。出題傾向を分析する際には自分で過去問をひたすら比較してみることも大切ですが、予備校や塾の講師、高校の教師に教えてもらうことも重要です。

過去問を分析する中で、解けなければならない問題かそうでない問題なのかを自分で判断することが難しい場合があります。難関大学の2次試験の数学は、一般の受験生では絶対に完答は無理という問題を出すケースもあります。こうした大学では、正解を求めるのではなくどの程度まで解答に近づけるのかという考え方や、発想の柔軟さを試しています。出題されている問題が完答することを求めている問題なのか、部分点をもぎ取ることを求めている問題なのかを入試本番までには判断できるように対策を講じましょう。

こうしたポイントを押さえつつ、受験対策をするに当たって早めに勉強のスケジュールもしくは目標を設定しましょう。公立高校の多くが数学Ⅲは3年生になってから学習します。このようなスケジュールで医学部受験を乗り切るのは非常に困難です。医学部受験を目指すなら数学Ⅲの学習とその準備が受験当日に間に合うようにあらかじめ勉強のスケジュールを立てておく必要があることに注意しましょう。

次に苦手分野を克服し、数学Ⅲの学習も終わったら、得意分野を自分で把握してさらに精度を高める学習をしましょう。過去問を解き数学的思考が確立されると、問題を見た瞬間に解き方が分かる問題ができてきます。このような問題を早く解けるようにしましょう。受験本番には得意科目は即時に解いて満点を取るスキルも必要となります。難しい計算や分量の多い計算問題が出題されてもすべての問題を解ききれるように特訓しましょう。

このように、分析をしながら勉強をしていくと、受験が近づいてきた時にもう勉強をしなくても自信が持てるものと、少し不安が残る分野を把握できます。最後の仕上げとして、受験直前は不安要素があるところだけに集中して取りこぼしを防ぐ対策をすると良いでしょう。

3.まとめ

医学部受験において数学は、配点が大きいことや勉強をして成果が出るまでに時間がかかることなどから、とても重要度の高い教科です。そのため、できるだけ早く志望大学の問題傾向と自分の苦手分野を知り、スケジュールに沿って対策を進めていきましょう。

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