2023.04.19更新日

全学年

医学部に繰り上げ合格ってあるの?わかりやすく解説

大学受験において「繰り上げ合格」という言葉を知っていますか? 医学部受験でも繰り上げ合格は存在します。しかし、その実態についてしっかりと理解している人は少ないようです。

そこで今回、「繰り上げ合格」「補欠合格」とは何か、注意しなければならない「補欠合格」の実態をご紹介。医学部受験では特に知らないと損をすることもありますので、ぜひ最後までご覧ください。

☑完全無料・面談時間無制限で疑問を全て解決
☑現役プロ講師陣が面談を担当します。
☑5分で簡単お申込み

1.合格の種類を紹介

1-1.正規合格

正規合格はその名の通り、合格発表の時に入学許可を得ることのできる合格のことです。大学受験では、受験生の合否を発表する合格発表の日付が予め定められています。通常、合格発表は入学が認められた受験生の受験番号を通知する形で行われますが、ネット上や大学構内の掲示板に発表されることもあれば、手紙などでの郵送や、電話で通知されることもあります。

いずれにせよ、合格発表の日に入学を正式に許可された場合には「正規合格」となります。入学許可を得た受験生はそのあとに、合格した大学に正式に入学するかどうかを決定する権利を与えられます。複数の大学を受験している場合、第二志望以降の大学で正規合格をもらったときには、第一志望の合否次第で入学するかを決めることになります。

大学側は、そのような辞退の可能性も考慮して正規合格者の数を決めますので、定員割れが起きないよう、正規合格者の数を多めに設定している大学がたくさんあります。

1-2.補欠合格

補欠合格とは、正規合格した人のうち、入学を辞退する人が出た場合に入学が認められる合格者のことです。補欠合格の場合も、正規合格者と一緒に、合格発表の日に「補欠合格」と通知されます。

合格発表の日に補欠合格となった場合、その時点では入学の資格を有してはいません。正規合格者が入学を辞退して定員に空きが出た際に、繰り上げで合格になります。そのため、補欠合格者は「合格」とは言われていますが、状況によっては入学できないこともあります。

1-3.繰り上げ合格

繰り上げ合格とは、補欠合格者が繰り上げで入学資格を得たことを言います。つまり、補欠合格者が入学資格を得た時点で、「繰り上げ合格」となるわけです。

繰り上げ合格した後は、正規の合格者と同じ扱いになります。繰り上げ合格を辞退することも可能ですし、大学に入学することも可能です。入学することに決めた場合は正規合格者と一緒に正式に入学し、入学後の扱いで差が出ることはありません。医学部の場合、卒業後は医師として働きたいと考えている人が多いと思われますが、どのような形で医学部に合格したかは就職の際に一切関係ありません。繰り上げ入学であっても、在学中は正規合格者と同じカリキュラムを受講することが可能ですし、奨学金などの制度を利用することもできます。

2.繰り上げ合格までの流れ

2-1.繰り上げ合格の通知はいつされるのか?

補欠合格した受験生は「繰り上げ合格」となったかどうか、どのタイミングでわかるのでしょうか。実のところ、繰り上げ合格の発表は大学やその年の状況によって、大きく異なるのです。

そもそも、補欠合格者の数や該当者への通知の仕方は、大学によって相違があります。合格発表の日に、正規合格者と共に補欠合格者の受験番号がネットや掲示板に公開される大学もあれば、受験者本人のみに補欠合格であることが知らされる大学もあります。また、補欠合格者をいくつかランクに分類している大学もあり、試験結果が良い順にランクが伝えられ、繰り上げ合格の可能性の高さが示されていることもあります。例えば、補欠合格ABCといった具合にランクが示され、定員割れが生じた際にはAから優先的に繰り上げ合格が通知されます。定員割れの人数がわかった時点で、まずAランクの人に繰り上げ合格の声がかかり、Aランクの受験生の反応次第で、BやCの人にも順次声がかけられていきます。そのため、補欠合格者の中でも、ランクによって繰り上げ合格の通知時期に違いが生じることがあります。

そして、「繰り上げ合格」は上記で説明した補欠合格の順位や評価によってタイミングが異なります。順位や評価が高いほど繰り上がる時期はもちろん早いですし、受験校よりも人気の大学が多数の受験生を合格させたりすると、繰り上げの時期が早まっていきます。

最終的な入学希望の数がはっきりするのは、合格発表の日からはある程度の時間が経過してからになります。多くの場合、繰り上げ合格の通知は3月半ばから下旬にかけてなされます。まれに4月の上旬に通知されることもあるようです。

2-2.通知方法

正規合格ならびに補欠合格の通知は、大学の合格発表の日に行われます。その時の通知方法は、ネット上か大学構内に設置された掲示板に、受験番号が記載されることがほとんどでしょう。一方、繰り上げ合格の通知は、そのほとんどが電話で直接本人になされます。

繰り上げ合格の通知がなぜ電話でされるのかというと、大学側は定員割れが生じているため、なるべく早くその分を埋め合わせるよう調整しなければならないからです。補欠合格者は一定数いるはずですが、繰り上げ合格しても大学に入学するかどうかは未定です。そこで、繰り上げ合格者に入学の意思があるかどうかを早めに確認するため、電話での通知がなされるのです。

電話で繰り上げ合格の通知が来た場合、すぐにその場で入学の意思があるのかを確認されます。意思がある場合には晴れて入学手続きとなります。大学側からその後の手順の説明があり、入学に必要な書類などが後日郵送されてくるでしょう。電話がなかなかつながらない場合には、せっかく繰り上げ合格しているにもかかわらず、そのチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。受験票への電話番号の記載にはミスが無いよう十分注意すると共に、補欠合格した場合には着信に敏感になっておきましょう。

3.繰り上げ合格が多い大学の傾向は?

私立大学は、国公立大学に比べて繰り上げ合格が多い傾向にあります。主な理由として、医学部は他の学部に比べて学費が高く、そのために国公立大学を第一志望にしている受験生が多いからです。また、合格発表の時期も私立大学のほうが早いため、私立大学の医学部は比較的多くの補欠合格を出す傾向にあります。

難関私立大学の医学部は例年、補欠合格からの繰り上げ合格が多くなる傾向にあります。その理由は、難関国公立大学と並行して、難関私立大学の医学部を受験する受験生が多いからです。特に難関国公立医学部を目指す浪人生は、これ以上の浪人を避けるため、国公立医学部の他に私立医学部を併願することが多いです。また、私立医学部を目指す学生も保険を掛けて多くの大学を併願と、このように、医学部は受験校が多くなる傾向にあり、成績上位者がいくつもの合格を手にします。その結果として「繰り上げ合格」も多くなります。

繰り上げ合格が多い大学を受験することは合格確率が高くなるというメリットがありますが、気を付けなければならないこともあります。補欠合格はあくまで「補欠」であり「正規」ではないので、期待しすぎないことです。例年の傾向から見て、自分は間違いなく繰り上げ合格になるだろうと、正規合格した第二志望の大学の入学手続きをしない受験生がいます。しかし、結果的に繰り上げ合格の通知が届かなかったという事例がよくあります。

なぜ、合格した大学のキープせずに補欠合格した大学の「繰り上げ合格」を期待して待つ人がいるのでしょうか。それは、合格した大学をキープするためには高額な入学金を納めなければならないからです。この入学金を渋ってしまうことで、合格したのに浪人する学生がいるのです。合格した大学には高額でも入学金を支払うことをおすすめします。両親とよく相談してから判断しましょう。

最後に、補欠合格からの繰り上げ合格はあくまで副次的なものなので、実際には不合格だったくらいの気持ちでいたほうが良いかもしれません。ですから、新学期の予定は不合格を前提に立てておくと良いでしょう。補欠合格で浮かれることなく、すぐに次の目標を立てて頑張りましょう。

4.繰り上げ合格が少ない傾向は?

私立医学部は繰り上げ合格が多い傾向にあるのに対し、国公立医学部は繰り上げ合格が少ない傾向にあります。なぜなら、国公立医学部は比較的学費が安いので受験生からはとても人気があるため、合格してから入学を辞退する人がほとんどいないからです。

ですから、国公立医学部の補欠合格をもらった場合は、後期受験や来年度の受験に向けてすぐに勉強をすることが大切です。また、国公立医学部の補欠合格をもらえるレベルなら、私立医学部でも合格するこ可能性があります。あきらめることなく選択肢を探し続けましょう。

5.まとめ

大学の合格には正規合格、補欠合格、そして繰り上げ合格があります。正規合格は文字通り、正式な合格です。大学の合格発表日に通知され、同時に大学への入学資格が与えられます。補欠合格も大学の合格発表日に通知されますが、その時点ではまだ大学への入学資格はありません。後日、大学側から改めて繰り上げ合格の通知が来た時、大学への入学資格が与えられます。補欠合格と繰り上げ合格は似ているので間違いやすいですが、入学資格があるかないかが主な違いとなります。

また、繰り上げ合格には運要素もありますので、あまり当てにしないよう注意しましょう。補欠合格した場合には、確実に繰り上げ合格できるように思えても油断は禁物です。繰り上げ合格はないものとして、来年度の予定を立てておくと良いでしょう。

■医学部受験にお悩みの方へ

一般的な大学受験と異なる医学部受験に関して「合格する生徒の特徴は?」「医学部専門と一般予備校の違いは?」「地方含めどんな受験方法がいいの?」など様々なご相談を受けることがあります。

医学部受験にお悩みの方に向けて医学部専門予備校野田クルゼでは無料個別面談を実施しております。医学部受験を熟知している医学部受験指導のプロじっくりお話をお伺いします。