2022.07.28更新日

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医者になるには?医師になるまでのステップ

医師になりたいと思っているのであれば、できるだけ早めに準備を始める必要があります。というのも、医者になるには医学部に入学、医学部を卒業、その後医師国家試験に合格しないといけないからです。受験大学する選びをして、入試対策をするためには時間がかかりますので、早い段階での決断と準備が求められるというわけです。実際にどんなステップを踏んでいくのかを考えて、進路を決める上での参考にしましょう。

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1.医師になるまでのステップ

医者になるにはどんなステップを踏んでいくのか、まずは大まかな流れを押さえておきましょう。それぞれにどのくらいの期間がかかるかも知っておくと、これからの歩みをイメージしやすくなります。また、それぞれのステップで何をすべきかを考えるのにも役立ちます。

医学部に入学する

医者になるには、必ず大学に行き医学部に入る必要があります。特例的なことでない限り、医学部での教育を受けずいきなり医師国家試験を受けることはできません。そのため、まずはどの大学の医学部に進学するかを決めましょう。大学ごとに入試の難しさや学べる内容に特徴があります。また、大学によって、医師になったあとの研修先の病院の違いが出てくることもあります。ある程度先のことも考えて、医学部をどこにするかを決めることが大事なのです。

また、同じ医学部であっても国公立か私立かによる違いは大きなものがあります。特に学費の差はかなりのものとなりますので、気になる大学での卒業までの学費をトータルで計算して、費用負担が大きくなり過ぎないかを考えることも重要です。さらに、国公立、私立ともに受験科目に理系科目が指定されていることがほとんどですが、大学によって必須科目の違いが見られます。対策を確実なものとするために、受験したい大学を早めに決める必要があるわけです。

医学部では6年間学ぶことになっています。他の学部は4年間なのですが、医学部は学ぶ内容はとても範囲が広く、また質が高いため2年間長く設定されています。自宅から通うのではない場合、その年数分の一人暮らしをするための生活費などもあらかじめ考えておきましょう。医学部は他の学部に通う大学生よりも負担が大きくなる場合が多いので、事前の準備が欠かせません。

医学部を卒業する

医学部の卒業は医師国家試験の受験条件となります。そのため、大学に受かったから安心とは考えずに、絶対に卒業できるように努力を続ける必要があります。上記のように医学部は6年間と長く、しかも勉強する内容は深く広範囲です。いわゆる実習もたくさん行っていきますので、学生生活はかなり忙しいものとなるはずです。学業と並行して医師国家試験対策の勉強をしていく必要もあります。

それだけに、頑張りぬく気力や体力と体調を壊さないための規則正しい生活習慣、勉強を続ける姿勢が重要になってきます。選択によってはゼミでの研究に充てる時間も長くなりますので、時間を上手に使う術を覚える必要もあります。

医師国家試験を合格する

医者になるには医師国家試験をパスすることが必要ですが、その前に「CBT/OSCE」、「オスキー」と呼ばれる試験を受けます。これは予備試験のようなもので、本番となる医師国家試験に備えるための試験として扱われます。

この試験は2つの異なるジャンルから成っています。「CBT」というのは、コンピューターが無作為に選んだ問題を解いていくタイプで、それぞれの大学で一定の基準点を設けているので、それ以上の点数を出さないといけません。これは知識を問う試験で、幅広い分野の問題が出されます。「OSCE」というのは臨床能力を試す実技的な試験となります。医学部では臨床実習が実施されますので、その内容に基づいて行われます。

これらのCBTとOSCEは大学3年生の冬ごろから、4年生の夏以降までの期間に実施されることが多いです。それぞれの大学で実施時期は異なりますが、この試験に合格できないと本番の医師国家試験は難しいので、しっかりとした対策をしなくてはなりません。

大学での6年間の終わりには、卒業試験が実施されます。たいていの場合、他の学部だと試験ではなくて卒業論文を提出します。しかし、医学部の場合は卒業論文の代わりに、卒業試験が実施されます。大学によっては、卒業論文と卒業試験のどちらも必要となるケースもあり、準備が大変になります。この卒業試験は大学卒業ができるかを判定するためのもので、パスできないと留年となってしまいます。一般的にこの卒業試験は、6年生の9月から12月の間に実施されます。

この卒業試験に合格すると、晴れて医学部を卒業したとになり医師国家試験を受験できる資格を得られます。ここまでもすでに難しく長い道のりを経てきましたが、医師国家試験もかなり難度が高いのでしっかりと準備しなくてはなりません。もっとも、医師国家試験の合格率は例年90パーセント程度となっています。それまでのプロセスを確実に踏んで、試験合格の実力を身に着けられるような仕組みになっているということです。医師国家試験は例年2月に実施され、合格発表は3月の中頃に行われることが多いです。

医師国家試験は幅広いジャンルの問題が出ますので、どの分野に進むとしても横断的に対策をする必要があります。しかし、その中でも特に重要度の高いものがあります。それは人権や倫理観についての問題です。試験の合格基準は全体の点数なのですが、これらの人権や倫理観の問題を多く外してしまうと、他のジャンルで良い点数を取っていても不合格となる仕組みが取られています。それだけ医者になるには、人間的な素質や人権を意識した思考をすることが重要視されているのです。

臨床研修を実施する

医師国家試験に合格すれば、医師としての資格自体は手に入れることができます。しかし、いきなり現場で医者として活躍できるということではなく、まず臨床研修を受ける必要があります。これは、実際に病院などに勤めて現場で研修医として実務を行うことを意味します。臨床研修医の期間は2年間で、基本的には普通の医師と同じ業務を行っていきながら研修を受けます。この研修医の時間を用いて、様々な診療科を経験して、専門医として進みたい道を選ぶことになります。

ちなみに、臨床研修の期間が2年間というのは、法律上最低限の期間というだけのことです。本人が希望すれば、もしくは所属している病院によってはさらに長い臨床研修を受けることもできます。これは後期研修と呼ばれる制度で、さらに3年から6年程度の研修を続けます。より専門的な研修ができますので、高度な医療技術を身に着けたいという人が選択します。こうしてすべての臨床研修を終えると、一人前の独立した医師として活躍できるようになります。

2.医師になるための第一歩医学部に入学

前述しているように、医者になるには医学部に入学することが初めの一歩となります。どれだけ医学についての知識が豊富でも、医学部以外の学部を卒業したのでは医師国家試験自体を受験できないので、高校生の段階で医学部進学のために準備をしなくてはなりません。そこで、最初のステップとなる医学部の受験について、具体的にどんなことをしていくのかを考えてみましょう。

医学部受験とは?

全国の大学に、経済学部や法学部といった学部と同じように医学部が設けられています。この医学部では、主に3つのジャンルについて学ぶことになります。基礎医学と呼ばれる人体そのものについて、また何が原因で病気になるのかを学ぶ分野です。また、社会の中でどのように健康を維持し、保健衛生のレベルを保つかを学ぶ社会医学も取り扱われます。そして、病気もしくはけがをした人をどのように診断し治療するかを学ぶ臨床医学も含まれます。大学によって、より専門的な内容を学ぶこともありますが、基本的にはこれらの3つをまんべんなく学んでいきます。

2020年度においては、国公立大学と私立大学などのすべてを合わせて82の大学で医学部が設けられています。それぞれの大学で受験方法は異なります。国公立大学の場合は通常、大学入学共通テストを行い一次選考をします。その後、大学独自のテストを実施して最終的に合格者を決めるという流れです。私立大学の場合は、それぞれの大学で作ったテストを最初から実施することが多いです。国公立大学、私立大学とも一部の大学では、推薦制度を採用していることもあります。ただし、推薦枠といっても、推薦を受ければ自動的に入学できるということではなく、入試科目が少なくなるだけということがほとんどです。推薦は、高校の指定や一定上の優秀な成績を出しているなど様々な条件が設けられており誰でも受験できるわけではありません。

全国に医学部を持つ大学はあるのですが、やはり大都市に偏りがちです。大学の数だけでなく知名度やその学力レベルにおいても、都市部の大学の方が高い傾向にあります。こうした違いは人気の集まり方にも影響してきます。競争率の高い大学は、それだけ受験も大変になりますので、大学選びを真剣に考えることと、志望校に合った受験対策をすることが重要です。また、人気のある大学に通うためには、自宅から通えない距離の大学に行く必要が出てくる人も多いでしょう。医学部は6年間ですので、長い期間一人暮らしをすることになりますので、費用や生活の実際などを事前によく考えてから決めることが大事です。

医学部専門予備校に入塾を検討

医学部は全体的に偏差値が非常に高く、合格するのは簡単ではありません。さらに人気の高い有名大学ということになれば、さらに難度は上がりよほどの努力をしないと入れません。また、大学独自のテストを実施しているところでは、一般的な大学受験対策をするだけでは不十分で、その大学向けの対策をする必要があります。当然、毎年試験内容は変わるのですが、それぞれの大学に特有の傾向というものがあります。その傾向を知って対策をするのは難しく、自分たちだけでは厳しいでしょう。

そこで、医学部の受験生には、医学部受験を専門に扱っている予備校に通う生徒が多くいます。学部に関わりなく予備校に入って受験対策をする人は多いですが、医学部に特化した予備校があって、より深い対策ができます。それぞれの予備校で得意とするジャンルがあって、有名大学の試験対策に優れた実績を持っているところもあります。入りたい大学が決まったら、同時にその大学に強い医学部予備校を見つけると良いでしょう。

こうした医学部専門予備校に行くメリットは、効率的な対策ができるだけではありません。専門予備校には医学部合格という同じ目標を持つ学生が集まりますので、良い刺激を得られるというメリットもあります。ライバルでもあり仲間ともなる人たちを見つけることができるのです。モチベーションを高めるのに役立ちますし、お互いに勉強を教え合うなどして、学習を進める助けともなります。

医学部受験の難易度

医学部入試は難易度が高く、競争率も高いです。国公立大学であれば共通テストを受けることになりますが、多くの大学で8割から9割程度の点数を取っていないと合格することが厳しくなります。それぞれの大学で受験科目の違いがありますが、多くは5教科7科目となっています。その後、2次試験に進み、大学独自の学力テストに加え、小論文や面接が実施されることがあります。2次試験は大学独自のものなので、それに合った対策をしなくてはなりません。

私立大学の場合は、理科2科目と数学、そして英語を受験科目としていることが多いです。これらの科目に加えて小論文と面接があります。やはり、小論文、面接ともに大学ごとの傾向がありますので、事前にその傾向を押さえて準備をしていくことが求められます。

すべての大学ではありませんが、学校推薦枠や地域枠を設けていることがあります。地域枠というのは、指定された地域で卒業後に医師として働くことを条件に入学させるというものです。入試の特別バージョンという形で、一定科目が免除されるなどのメリットを設けている場合があります。

3.まとめ

医者になるには医学部に入学、卒業してから医師国家試験に合格し、臨床研修を経験する必要があります。すべてが終わるまでの道のりは長いですが、それだけ医師になるためにたくさんのことが求められていることが分かります。まずは医学部入学を決めるために、早めの受験対策と大学選びを始めましょう。

(情報は2022年7月現在。)

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