2022.08.30更新日

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国公立の医学部受験のポイントなどを解説

医師になるためには医学部に入学することが必須です。そのため、まずは進学したい医学部を見つけて、その大学の入試をパスできるように早めに準備を始めることが有効です。同じ医学部であっても、大学ごとに、受験の難度や学費、入学後に学べる内容などに違いがあります。そこで、自分が進学したいと思う大学、同時に無理なく卒業できる大学かということを考える必要が出てきます。どんな大学が自分に合っているのかを考える上で参考にできるよう、大学選びのポイントや人気の高い大学について紹介をしていきます。

1.医学部受験とは?

大学には様々な学部が設けられていますが、医学部が他の学部と異なる点がいくつかあります。一番大きな違いは、多くの学部は入学から卒業まで4年間かかる4年制なのに対して、医学部は卒業まで6年間かかる6年制ということです。そのため、大学に通う期間も長くなり、当然、長くなった期間の学費も必要になります。

また、医師として働くためには非常に高度な専門知識が必要とされるので、実際に大学で学ぶ内容も広範囲かつ複雑なものです。こうしたことから、大学が入学者に求めるハードルも自ずと高くなり、入試の難度も他の学部に比べて高い傾向にあることも特徴です。さらに、大学によって医学部に特化した受験内容を設定しているケースも見られます。大学によって違いますが、総じて医学部の人気は高く、倍率も他の学部に比べ高い傾向があります。それだけに医学部を目指すのであれば、医学部のための特別な受験対策をしなければなりません。

医学部入試ならではの特徴としては、地域枠があります。大学を卒業した後も、大学が指定する地域に定められた期間医師として働くことで特典を得られるという制度です。地域枠を利用して入学すると入学者に奨学金が与えられるケースが多く、指定された地域に定められた年数以上医師として働き続けることで返済免除されます。

2.国公立大と私立大の医学部の違い

大学選びをする際には、まず国公立大か私立大かというフィルターで考えると良いでしょう。というのも、両者の間には大きな違いが存在するからです。

受験科目の違い

一部の大学・入試方式を除き、国公立大の場合、共通テスト(大学入学共通テスト)の受験が必要となり、5教科7科目受験となります。共通テストが一次試験となり、一次試験に合格後、大学独自の二次試験を受けることになります。医学部に進学するためには一次試験と2次試験に合格する必要があります。合格には大学共通テストで8割以上の得点がほしいところです。二次試験は、大学ごと入試科目や問題傾向がかなり異なります。

一方で私立大の場合は、国公立大入試と同じように共通テスト利用する入試方式や大学独自の試験利用する入試方式などいくつかの方式があります。また、入試科目数についても大学によって差が見られます。全体としては国公立大に比べると私立大の方が入試科目数は少ないので、的を絞った受験対策がしやすいです。こうしたことから、自分の得意とする科目に重点が置かれている大学を受験することで合格の可能性を上げることができます。

学費

医学部にかかる学費は、国公立大の場合は卒業までで400万円程度かかるケースが多いです。他方、私立大の学費は国公立大に比べ高額となり、卒業までに2,000万円程度から4,000万円程度かかります。私立大の場合、大学による学費の差が非常に大きいので、経済的に無理がないかという点も事前に調べておく必要があるわけです。

入試倍率

大学の所在地や地域、人気度によって大きく異なりますが、全体の傾向として国公立大よりも私立大の方が入試倍率が高い傾向にあります。国公立大は共通テストの成績で入試倍率の6倍程度、私立大には20倍を超えるところもあります。大学ブランドの差がこうした入試倍率の違いを生み出すこともありますが、たいていは偏差値もしくは受験の難度に影響されます。また、倍率だけみると私立大に比べ国公立大のほうが低い傾向にあるので、入試の難度も低いと思いがちですが、それは間違いです。国公立大は共通テストの成績に応じて二次試験の受験制限をする第一段階選抜(足切り)で倍率を調整するため私立大ほど高倍率になりません。私立大より倍率が低いからといって、国公立大が入りやすいということではないのです。

3.国公立大学の医学部を選ぶポイント

上記のような事情を考えた上で、国公立大にしようと考えた場合、今度はそれぞれの大学ごとに異なる特徴を見て自分に合ったところを選ぶことになります。その選び方のポイントとしては、偏差値と学費、そして大学の所在地などがあります。

偏差値

そもそも国公立大は偏差値水準が高い傾向にあるので、高水準の中での偏差値の差というのは見た目の数字以上の違いを生むものです。学力が上がってくると、偏差値をわずかでも上げるのに苦労し、その僅かな差が合否に関係してきます。そのため、自分の偏差値を正確に把握することが非常に重要です。大学の偏差値はかなり正確に知ることができますので、自分の学力で到達できるのかを見極める必要があります。

学費

学費については大学によって年間10万円程度の差が出てきます。大学ごとの学費の差よりも生活費を含めたトータルコストを考えることが大事です。

所在地・地域

大学の所在地や地域によっては引っ越しの必要があるかもしれず、これによって費用の点で差が出てきます。経済的な面と同時に、一人暮らしができるかという点も正直に考えると良いでしょう。家の管理や各種手続き、家事などをすべて自分一人で行うことになりますので、最も重要な学業に大きな影響出ないかどうかを見極める必要があります。

4.国公立医学部を紹介

こうしたポイントを踏まえつつ、全国の国公立大から大学をピックアップして紹介していきます。

千葉大学

国内でも歴史の古い医学部で、特に基礎医学と臨床医学の分野に強いのが特徴です。世界的に大きな功績を残した有名な医師をたくさん送り出してきた大学でもあります。偏差値は高い傾向にあり、医師国家試験の合格率も全国平均と比べてかなり高い状況を保っています。海外留学や交流にも力を入れていて、世界の進んだ医学について触れ合う機会が持ちやすいという点も人気の理由です。

東京からも通える位置にありますので、地元はもちろん関東一円、そして全国から学生が集まります。様々な分野での先端医学の研究がなされていて、世界的に注目される研究成果をいくつも挙げています。新型コロナウイルス感染症関連の研究などでも注目される大学で、新しいことを積極的に取り組む方針が特徴的です。

筑波大学

スポーツ医学の面で実績が豊富で、特徴的なカリキュラムを実施していることから、その分野に進みたい人には特に人気のある大学です。偏差値も高めで入試倍率が高くなることも珍しくありません。教養課程にも特徴があり、教養課程は短めに設定してその分臨床を多く取る傾向が強いです。具体的には2年次の9月ごろには臨床医学が始まります。より実践的な学び方をしたい人に人気があります。

研究施設や臨床環境も整っているため、実習で深く学び技術を身に着けられるのもポイントです。関東圏出身の学生も多くいますが、特化型の教育を行っていることや質の高い教育が受けられることから、全国からまんべんなく受験生が集まります。

山梨大学

地方国立大ですが地元だけでなく全国から受験生が集まります。一般選抜では前期試験を設定せず、後期試験だけを設定しているという特徴があります。そのため、山梨大学だけに的を絞って対策する受験生もみられます。山梨大学では医学研究医を養成するプログラムがあり、特に研究分野に進みたい人に人気があります。大学院に進む人の割合も高めですので、将来こうした形で医学を究めたい方に向いています。

群馬大学

首都圏を含めて関東出身の学生が多い大学です。群馬大学では3から5人の学生につき教員が1人、在学中様々な支援をしてくれるチューターとして配置されるのが特徴です。また、ガン治療研究に強く、世界的に見ても優秀な重粒子線施設を持っています。著名な教授が在籍していますし、治療実績も豊富なので、ガン治療の分野での高度な研究をしたい方に最適です。

香川大学

やはり四国や近隣エリアからの入学者が多いですが、全国からも受験者が集まります。また、再受験者も多い大学で、年齢層が高い学生の姿も多く見られます。香川大学では海外との交流に力を入れていて、現地での医療を体験したり語学を向上させたりするチャンスを得やすいです。低学年のうちから国際教育がなされるので、活躍の場を広げたい人に人気があります。

東京医科歯科大学

全国でもトップクラスの人気を誇る医学部です。そのため、全国から成績優秀者が受験するハードルの高い医学部です。それだけ著名な教授が集まっていますし施設もかなり充実しています。世界レベルの高度な医学研究や医学倫理などについて学べる場所でもあります。臨床統計を活用したバランスの取れた最新医療を行うための養成課程など、他の大学とは特色の異なる教育も定評があります。海外研修も長期にわたって有名大学で実習ができるなど質が高く、グローバル人材を育てる環境が整っています。

愛媛大学

場所柄、四国地方出身の学生が多く集まる大学です。入試倍率も年によってバラツキが見られます。医師国家試験の合格率は全国トップクラスとなっていて、教育の質が高いことが伺えます。実際試験対策を充実させるべく、無料での模擬試験受験や個別の面談や指導も行っていて、すべての学生に対してきめ細かなケアがなされます。

愛媛大学では1年次のうちから基礎医学研究を始めるのが特徴です。すべての学生が研究室に入り、医学研究の初歩から着実に学ぶ機会を与えられます。そのため、臨床などの分野だけでなくより基礎固めがしっかりとできるのがメリットです。

信州大学

甲信越出身の学生の割合が多いですが、アクセスがしやすいということもあって首都圏や東海エリアからの受験生も多く見られます。再受験をしやすい大学としても知られていて、20代後半の受験生も例年多くいます。

信州大学では非常に選択肢の多い臨床実習のプログラムを用意しています。大学病院だけでなく、たくさんある協力病院でも臨床実習ができる制度が設けられています。そのため、本当に自分がやりたい分野の実習ができるのがメリットです。学生も医師と同じ立場で臨床に携われる仕組みを設けていますので、実践的な学びができる点も評価されています。

福島県立医科大学

県立の大学で、東北地方一円や北関東の学生が多く集まるところです。教育の質は安定して高く、医師国家試験の合格率も上位を維持しています。

この大学は都市中心部にあるわけではないので、学生生活を送るに当たっては自動車の必要性が高いです。カリキュラムは地域医療を重視する傾向が強く、地域枠も設けられています。また福島原発事故の経験を生かした放射線医療研究では最先端を行く大学でもあります。

5.まとめ

医師になるために避けて通れないのが、医学部受験です。たくさんの大学が医学部を設置していますが、それぞれに大きな違いがあります。まずは私立か国公立医学部かという違いで分け、その後学費や地域、カリキュラム内容などの特徴を見て検討します。自分に合った大学を見つけて医師になるという夢を叶えましょう。

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