2023.03.07更新日

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文系から医学部合格を目指すためには

少子化が進んでいる現代でも、医学部受験の人気は落ちていません。そんな中で実は文系から医学部を目指す学生も増えているのです。医学部というと、理系出身をイメージしがちですが、努力次第では文系から医学部を目指すのも可能なのです。その方法について、詳しく説明していきます。

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1.医学部はなぜ理系なのか?

医学部が理系である理由として、まず数学的思考が必要であることが挙げられます。医者は、診察の際に現在の症状から問診、血液検査、身体所見の評価、レントゲン、エコー、CT、MRIの結果を整理し、治療方針を立てます。その際に、医療的知識や医学論文を参考にわかりやすく患者に説明する論理的思考力が必要となるのです。また、数学の思考方法は医学統計を学ぶ際にも必要となります。数学的思考は多くの数学経験のみで身につくため、大学入学前にしっかりと学ぶことを求めています。

もう一つの理由は、医学部では理科科目の知識が必要であることが挙げられます。ここで言う理科科目は基礎ではない理科で、化学と生物は代謝を学ぶときに必要になります。物理も呼吸器や循環器を学ぶときに一部で物理の知識を使うため受験科目として大学側が求めている科目になっています。

しかし理系から医学部に入学した学生がまず一番驚くのは、実習や講義で覚えなければならないことがとにかく多いということです。もちろん医学は科学ですので、講義中でも論理的思考は必要になります。しかし、その論理的思考を巡らせる為には、ある程度の「基礎知識」というものが必要です。医学はその「基礎知識」の量が膨大なのです。まず、低学年のうちに身体の各部位ごとに発症する現象の専門用語を叩き込まなくてはなりません。それに加えて解剖や生理学に関しての膨大な知識も習得しなくてはなりません。

2.文系から医学部を受けるには?

ここからは、文系から医学部を受験する際の具体的な方法をお教えします。

まずは文系科目で受験できる医学部を探しましょう。医学部の受験科目は一般的に数学や理科二科目を受験科目にしている大学が多いのですが、私立医学部の中には理系科目を必要とせずに受験出来る大学があります。浪人を見据えている場合でも医学部受験のハードルの高さを確認するためにも受験できる科目で医学部受験に挑戦しましょう。

次に、文系科目受験に失敗して浪人を決める場合は理系科目を一年間学習しましょう。医学部に限らず、目標の学部に合格したい場合は沢山の大学を受験したほうが合格確率は上がります。医学部の多くは理系科目のみの受験ですので文系科目だけで受験しようとすると合格の可能性が下がってしまいます。ですから、浪人をして医学部受挑戦すると決める場合は理系科目を一から学習して、多くの大学を併願できるように学習しましょう。

また、「医学部への学士編入」という手段もあります。これは基本的には4年制大学の卒業者が対象となる制度で、出願資格は学士の学位を取得していることとする医学部がほとんどです。(一部の医学部では、短大卒業生や2年修了者でも出願資格を認めているところもあります。)これまで所属していた学部が文系でも理系でも関係なく、学士さえ持っていれば社会人でも医学部に編入する機会が与えられます。

学士編入にはメリットがいくつかあります。一部の大学では、2科目(英語・生命科学)のみの受験でよい医学部もあり、大学の勉強と並行しつつ医学部受験の勉強が出来ます。また、学士編入の場合、2年次及び3年次から編入出来るので、「一般大学卒業4年間+医学部5年+研修医2年」の計11年でキャリアを開始出来ます。再受験で入学するよりも1年短縮出来切ることや、浪人での勉強期間を考えると、学費や時間の面でとてもメリットがあります。さらに、学士編入の試験は、各大学独自の日程で行い、日程さえ被らなければ併願が可能という点も魅力の一つです。1人の受験生が複数の大学の医学部に合格する場合もあり、辞退に伴った追加入学もあります。

入学後の進路変更にはもう一つ「別学部に入学後、進級時に転部する」という手段もご存じでしょうか? 大学入学後に所属学部を同一大学内で変更することを「転部」と言います。条件が合った場合にのみ認められる特例で、1年から2年、または2年から3年に進級する際に認められるケースが多くなっています。しかし、転部を許可している大学はごく一部で、毎年実施されているとも限りません。対象となるのは成績がトップクラスで、医学部のレベルについていける学力がある生徒のみという狭き門でもあることを覚えておきましょう。

3.文系から医学部合格するための方法は?

そもそも日本の大学における医学部の入試形態はどのようになっているのかをご紹介します。

まずは、高校卒業から一般選抜(一般枠/地域枠)や推薦選抜(学校推薦型/AO入試型)で入る方法です。一般選抜は前期と後期で日程が分かれています。また、医学部独自の問題ではなく全学部共通の問題を出題する大学もあります。他にも、一部の大学では数学Ⅲが受験科目になく、文系の学生にもってこいの大学があります。将来医師として働きたい地域が定まっている場合は、地域枠で応募するのも良いでしょう。推薦選抜は一般選抜よりも日程が早いので、医学部に挑戦する回数が増えますし、合格した場合には受験を早々に終えることが出来ます。推薦選抜の場合は、面接、小論文、評定を通して人物評価が重要視されますので5教科以外の学習も重要になります。

高校卒業から医学部を狙う場合のもう一つの方法は、共通テスト利用選抜を受験することです。この方法のメリットは、一度の試験で複数の私立大学に出願が出来るという点です。一部の大学では、共通テストで基準点を満たせば、学科試験を受けなくて済むケースもあります。しかし、共通テスト利用選抜は、募集定員が少なく利用者が多いため合格基準が高くなっています。共通テストで高得点を取る自信がない場合は避けた方が良いかもしれません。

では、文系から医学部を受ける際の具体的な対策についてもご紹介していきます。

まず、医学部受験の勉強を始める前に自分の学力がどの程度であるかを認識する必要があります。医学部受験は、とにかく基礎力が大事だと言われています。基礎が身に付いていないと応用問題を解くのにも時間がかかってしまい効率の悪い勉強になってしまいます。そうなると、なかなか成果が出ずに途中で挫折してしまう場合もありますので、まずは徹底的に基礎を身に付けるようにしましょう。また、自分の得意科目とそのレベルを知っておく必要もありますので、模試を積極的に受けるのも大切な過程の一つです。高校の成績を基準にすることも出来ますが、月に1度程度模試を受けるならその度に学習方法を修正していくことが出来ます。もちろん、志望校を基準に学習方法を決めていくのも大事ですが、自分のレベルも考慮した上で確実に狙える大学を選ぶのが医学部受験では重要になってきます。

次に自分の学力を把握出来たら、志望校のリサーチを行いましょう。大学によって出題傾向が違いますので、それに合わせた対策をしなくては医学部受験合格を勝ち取る事は出来ません。要領よくコツを抑えて勉強を進めるなら、難関と言われる医学部も短期間で合格を目指せます。

ちなみに国公立医学部の場合、共通テストでは数学ⅠAⅡB、理科、英語、国語、社会(日本史B、世界史B、地理B、政治経済・倫理のいずれか1科目選択)の5教科7科目の受験が基本となっています。また一部の大学で例外がありますが、二次試験では、英語・数学・理科2科目の4科目が基本です。

一方で、私立大学の医学部では、一次試験で数学ⅠAⅡBⅢ・理科・英語の4科目が多くの大学における入学試験の受験科目となっています。二次試験では、面接・小論文が課される場合が多く、一部の大学では、一次試験で小論文試験を行います。

最後に独学で不安な場合には、医学部専門予備校を活用しましょう。自分で学習を進める場合、自己管理能力をしなければならないことや、わからない部分がある時にすぐに質問出来ないという問題が生じます。自己管理が苦手な場合でも、定期的に医学部専門予備校に通えば、医学部受験に必要な科目を効率よく学ぶことが出来ます。また、同じ目標を持った仲間達と切磋琢磨しながら成長していけるので、モチベーションも高く保てます。

■まとめ

現在、文系だからといって理系の医学部受験を諦める必要はありません。医学部を文系科目だけで受験することはできますし、制度を利用することで医学部に入ることもできます。ただ医学部である以上、ある程度の入試難易度は覚悟しなければいけません。入念に下調べをして、文系からの受験でも得意科目を利用できる大学を探すなど工夫をして最短で受験を突破しましょう。

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