2023.04.19更新日

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医学部合格するために高校2年生は何をすればいい?ポイントを解説

難関と言われる医学部に現役で合格する人は、高校3年間で5000時間以上勉強する必要があると言われます。3年生の1年間だけでこれだけの勉強時間を確保しようと思うと、最低でも週間で20時間以上は勉強しなければなりません。しかし、学校がある中で、これだけ長時間の勉強を継続できる人はそういないでしょう。そもそも長時間勉強するためには、勉強をやり続けることができる体力が必要になります。勉強以外の誘惑を断ち切ることや合格に直結する勉強プランを選択するよりも先に立ちはだかる大きな壁は、「長時間勉強への体力」なのです。

このような理由から、「高校2年生から医学部を目指すのではもう遅い」と言われることがよくあります。しかし、本当に遅すぎるのでしょうか。一方、まだ間に合うとしたら、高2から本格的な勉強を始めて現役で医学部に合格するためにはどうすればよいのでしょうか。

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1.高校2年生から医学部を目指すのは遅いのか?

普通に勉強をすすめるなら、遅いです。しかし、間に合わないわけではありません。まずは遅い理由を確認していきましょう。

高2から本腰を入れるのが遅い理由として、「高1の範囲の確認作業」からスタートしなければならないからです。特に、英語と数学に言えることですが、この2科目は「知識の繋がり」と、「思考法への慣れ」が必要になります。この「繋がり」と「慣れ」を身に着けるには、高1で学習する基礎範囲の学習がかなり重要になります。

ですから、高1終了時点で高1の基礎範囲を完璧にしていない場合、学習のスタート地点がかなり後ろになっているのです。

しかし、スタートが遅れても医学部合格を諦める必要はありません。なぜなら、高2であれば「勉強計画」を立てることで、無理なく足りない勉強時間を確保することができるからです。

2.合格に必要な時間の使い方

まず冒頭でも紹介したように、医学部合格に必要な勉強時間は5000時間以上と言われています。高2から勉強を始める場合、1年あたり2500時間以上の学習時間が必要になります。これを高2の4月から週換算すると、毎週60時間以上を勉強時間に充てる計算です。すると、一日あたり8時間ほどの学習時間が必要となり、一日8時間と言われると一見つらそうに思います。しかし、土日や長期休みなどを考慮するとそんなに辛くないペースで学習を進めることができます。

そして、辛くない学習を進めるためには「勉強計画」が必要になるのです。「勉強計画」を立てるコツを簡単に紹介すると、年→月→週→日の順番で考えることです。

学校行事が多い月には勉強時間はそれほどとれないが、長期休みの期間には多く取れるなど長期的な視点でまずは時間配分をして、そのあとに週ごとの予定を加味して徐々に短期的の視点で時間配分していきます。

そのあとに、毎日の目標や新たな分野への挑戦などを考慮してその日の予定で時間割を作ります。

以上のような「勉強計画」を作成すると目標時間を確実に超えることができるのです。そして、目標時間を超えて学習することができれば、現役で医学部合格も夢ではなくなります。ぜひ参考にしてください。

しかし、次に肝心なのは「勉強計画」を100%有効活用する「勉強方法」です。「勉強方法」を間違ってしまっては、せっかく確保した時間も無駄になってしまいま。

そこで次は時間を100%有効活用する「勉強方法」をご紹介します。

3.合格のためにはまず基礎力が大切!?

それでは、「勉強計画」を100%有効活用する「勉強方法」を紹介します。

結論から言うと、基礎をしっかり身につけることです。特に受験で必須の英語と数学には力を入れておきましょう。それ以外の科目についても、受験に必要な科目は基礎をしっかり固めておくことが大切です。

そもそも医学部に合格するためには、基礎よりも応用を解けなければいけないというイメージを持っているようです。確かに難関医学部に現役合格する人たちは、学校の授業進度よりも早くそういった難しい問題にどんどん取り組み、力をつけていったのでしょう。

しかし、途中から挽回しようとする人が、そういう一部の受験生の真似をしても意味がありません。無理して難しい問題に挑戦しても、基礎力がなければ身にならないことはもちろん、費やした時間を無駄にしてしまいます。これを踏まえて、各科目の基本的な勉強法を押さえておきましょう。

3-1. 英語の基礎学習方法

まずは、どの大学の医学部でも必須の英語の基礎から確認しましょう。英語の基礎力は簡単な長文を速読できる力ともいえます。

最初は、学校でもらう「速読英単語」や「ターゲット」などの単語帳の単語をすべて覚えるまで何回もやりましょう。また、すき間時間にいつでも見られるように、肌身離さず持ち歩きましょう。

単語をある程度暗記したら、いよいよ共通テストやセンター試験レベルの文章に取り組みましょう。解答の出来栄えに関わらず、文法事項や熟語の塊を確認して精読することが大切です。精読の後は、文章中の文法事項すべてが瞬時に理解できるようになるまで速読を繰り返します。ここまで出来るようになって初めて、一つの文章の理解が完璧になったといえます。この「文章を完璧にする一連の作業」をさまざまな文章で行いましょう。すると、英語の基礎力が身についた状態になります。

余談ですが、文法問題や医学部専用単語も並行してできるとなお合格に近づきます。しかし、最優先事項は長文を読む最低限の知識です。多くの大学では長文の配点が高めに設定されているので、まずは長文の読解を完璧にしましょう。

3-2. 数学の基礎学習方法

次は数学です。高校2年生のうちに、数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数Bの内容までをしっかりマスターしておく必要があります。模試や学校のテストを活用するのも勉強法のひとつですが、一番効率のいい勉強方法は基礎レベルの問題のみが掲載された問題集を完璧に解くことです。

理由としては、問題集を完璧にする過程で苦手分野を洗い出しやすいからです。模試や学校のテストだと、出題されない範囲や難易度の違いなど、出題に偏りがあるため苦手分野を特定することが難しいからです。しかし基礎問題が中心の問題集なら、解けなかった問題がすべてを苦手分野として把握することができるため、学習効率が格段と上がります。

また、学習する参考書がひとつの方が勉強計画を立てやすくなるためモチベーション高く勉強を続けやすいです。ぜひ参考にしてください。

3-3. 理科の基礎学習方法

理科は、医学部受験の場合、化学、物理、生物の中から2科目を選ぶ人が大半でしょう。いずれの科目でも、高校2年生までは基本的な知識や頻出の公式を万全にしておくことです。教科書レベルのことがしっかり理解できるようになるまでは、難しい問題集等に手を出す必要はありません。基礎がしっかりできるようになっていれば、難しい問題は3年生になってからでも間に合うので、高2のうちは基礎を完全に定着させることに力を入れ、必要な知識をすぐに取り出せるようになることを目指しましょう。

3-4. 国語の基礎学習方法

医学部志望者には後回しにされがちですが、国語は時間をかけないとなかなか学力が身につかない科目です。一夜漬けはもちろん、短期間の対策でしのげるような科目ではありません。まずは、高校の国語の授業を真剣に受けることが大切です。また、高校2年生のうちから週に1回ほどでもよいので触れるようにしましょう。

現代文の対策方法は共通テストで出題されるような文章に触れつつ、実際の問題にも取り組みます。特に誤答した問題については、なぜその答えが正解なのかを納得できるまで考えるようにしましょう。これを続けるうちに論理的な思考法が身につきます。

古典、漢文の対策は高3からでもぎりぎり間に合います。また、共通テストで高得点を取ろうと時間をかけるのではなく、7割以上であれば及第点といった気持ちで学習しましょう。理系科目で高得点が取れるように全力を注ぎましょう。

古典の基礎は英語と同様で、文章を速読できることです。そのためには単語帳を完璧にすることと、助動詞を覚えることの二点です。敬語なども難しいですが、まずは敬語を抜きに文章を速読できるようにしましょう。その後、敬語につて学習をすれば共通テストで高得点間違えなしでしょう。

漢文の基礎は、句法を覚えることです。単語もある程度暗記する必要がありますが、句法を覚えることができればほとんどの文章を読むことができます。「早覚え速答法」などの有名な参考書の句法をすべて暗記しましょう。

3-5. 社会の基礎学習方法

社会科目の基礎科目は全範囲の知識を網羅することにあります。

具体的な勉強方法としては、教科書をまず一読し、教科書の目次を見るだけで重要な内容が頭に浮かぶようになることです。このレベルまで達したら、直前期に過去問を解きながら知識の確認をすることで及第点をとることが可能になります。高3になってから教科書を読み始めると他の科目が手詰まりになってしまうので、高2のうちにコツコツ知識を蓄えておきましょう。

なお、医学部受験生はどうしても理系科目の勉強が中心になります。そんな受験生にとって、社会のような科目は頭と気分のリフレッシュになる場合があります。歴史や地理などは、受験勉強とは関係ないので、純粋に楽しめる内容も多いです。項目を羅列した問題集だけでなく、読み物としても興味深い参考書や解説書を使うと、理系科目の気分転換に利用できるでしょう。ぜひ受験勉強の疲労をリフレッシュできるなるように工夫してください。

4.合格に必要な環境づくり

勉強効率を上げるためには、今まで紹介してきたような事前の計画と、勉強中に集中するための環境づくりが重要になります。そこで次は、合格のための環境づくりの方法についてご紹介します。

4-1. スマホはカバンの奥深くに!

まずはスマホの管理から見直しましょう。スマホは簡単にさまざまな情報のやり取りをすることが可能です。例えるなら、よくしゃべる仲の良い友達が隣にいるようなイメージになるでしょう。そのため、休憩をするときにはたくさんの楽しみを与えてくれますが、勉強をするときには集中の妨げになってしまいます。

ですから、勉強する時間には必ずカバンの奥底にスマホをしまうことをおすすめします。奥底にしまう理由としては、簡単には取り出せないけれど、本当に調べものをしたいときには取り出しやすいところにあるからです。しかし、「スマホを触りだしたらとまらない!」という人は調べ事をできる時間を決めてしまうことです。学校や予備校なら先生へ、家なら親へ預けるなどして対策をとりましょう。

4-2. 医学部模試で定期的に学力チェック

高校2年生のうちから定期的に医学部模試を受けることをおすすめします。模試というと点数や偏差値、順位などで一喜一憂する人が多いですが、そもそも模試は今の自分の学力を正確にチェックするためのツールであることを認識しましょう。

また、模試とは「模擬試験」なので、入試本番の予行演習にもなります。本番で緊張しやすい人は、模試で場慣れしておくことも大切です。また、試験は60分~120分と長丁場ですから、本番で集中力を切らさないようにするためにも普段から模試で練習しておくことが必要です。復習する時間がないほど頻繁に受ける必要はありませんが、模試は定期的に受けましょう。

4-3. 医学部予備校に通う

高2から医学部予備校に通うのも良い方法です。医学部専門予備校には医学部合格のためのノウハウがあるので、医学部合格に必要な内容しか授業で扱わないので効率のよい勉強ができます。より実践に即した問題演習を経験できます。また入試情報や受験戦略などが入手できます。また、学校と違って医学部を目指している同じ目標を持つ人ばかりが集まるため、「医学部に合格するんだ!」という高いモチベーションにもつながるでしょう。

5.まとめ

高校2年生から医学部を目指すのは、決して遅すぎることではありません。しかし、もっと早くから準備を進めている人たちと比べると、すでに勉強時間に差が生まれています。それを縮めるには、まずは2年生のうちに基礎を固められるよう計画を立て、勉強時間をしっかり確保して準備しておきましょう。3年生のスタートから実践的な問題に取り組めるようにしておけば、本番までに合格圏内に到達できるでしょう。

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