2023.04.19更新日

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【医学部受験】自分に最適な志望校の選び方は?

医師になるためには医学部への進学が絶対条件です。しかし、大学ごとに出題形式や入試制度は様々であるため、受験校の情報をしっかり調べ、受験校のための学習が必要不可欠になります。また、大学選びには入学後の進路も考慮に入れることも大切です。大学選び一つで自分のなりたい将来像により近づくことができます。そこで今回、医学部合格のために知ってお得な志望校選びの基準をご紹介します。本記事を参考に情報戦を征し、志望校合格をつかみ取り、夢を叶えましょう。

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1.私立大・国公立大かを選ぶ

大学選びの中で初めに考えたほうがよいことは、進学先を私立大にするか国公立大にするかです。理由は、私立大と国公立大では「入試の仕組み」や「学費」が大きく異なるからです。具体的にどんな違いがあるのか解説します。志望校を選ぶときの基準にしてください。

1-1.学費

医学部は他の学部に比べて総じて学費が高くなります。通常、卒業まで4年間のところ、医学部だと卒業までに6年間かかるので単純に考えても学費は1.5倍かかるわけです。そして、医学部はかなり高度な教育を提供する場ですし、実習やテキストなど費用のかかるものばかりです。そのため、1年当たりの医学部の学費は他学部の学費よりも高く設定されています。

他の学部よりも学費が高いという点に加えて、私立大と国公立大との学費の違いが非常に大きいのも特徴的です。国公立大学だと平均して6年間で400万円程度の学費がかかります。その内訳としては、入学金で30万円前後、授業料として1年あたり50万円から60万円くらいが平均的です。特に国立大は国に指針として明確に金額が設定されているため、大学による違いも少なく全体的に学費が低額に抑えられています。

一方で、私立大学はそれぞれの大学で学費に大きな違いが見られます。6年間で2000万円くらいのところもあれば、4000万円を超えるようなところも見られます。それだけに、私立大の場合は学費で受験校や合格後の進学先を決めるということもあります。どの大学にしても、私立だと千万円単位で学費がかかることを覚えておきましょう。

入学してからかかる学費とは別に、入試の受験費用も国公立大と私立大で違いが見られます。国公立の場合は、共通テストと二次試験の2つの合計で4万円弱が平均的です。一方で、私立大学の場合は6万円前後かかるのが一般的です。

このように、全体的に国公立に比べて私立大学は数倍、大学によっては10倍近いコストがかかることになります。奨学金制度を設けている大学も多いので、奨学金を受けられるかを含めて学費については事前にしっかりと考えることが大切です。

1-2.受験科目や難易度

受験科目やその内容も私立大か国公立大かで違うので注意が必要です。

国公立大は、共通テストを受けて二次試験に進む形式の大学がほとんどです。共通テストの受験科目は5教科7科目となっていて、全科目をまんべんなく勉強しなければなりません。医学部合格のためには共通テストで90%前後の得点が必要になります。全ての教科で高得点を取る必要があり、ミスしてしまった科目を他の科目でカバーするのは難しい状況となっています。そのため、国公立大を受けるのであれば、まずは苦手な科目を作らないように学習を進めなければなりません。共通テストだからと油断せずに、対策の時間を十分にとるようにしましょう。

二次試験については大学によって科目や出題内容が異なります。しかし、一次試験で得点が悪かった場合、二次試験で挽回するのは、事実上かなり厳しいのはどの大学でも同じです。というのも、合格できる人の多くは、一次試験で高得点を取り、二次試験でも高得点を取るからです。こうしたことから、国公立大では一次試験も二次試験も万全な対策をしなくてはならず、ちょっとしたミスが合否を分けてしまうシビアな受験となるのです。

私立大については、大学による差が大きいのが特徴です。受験科目自体も大学により異なり、科目数がかなり絞られているところもあれば国公立大並みのところもあります。私立大の場合は、基本的に共通テストではなく大学独自の試験を受けることになります。私立大の一次試験はそれぞれの大学の特徴がよく現れた独自性の強い問題が出る傾向にあります。そのため、志望校に合わせた特化型の対策を重点的に行う必要性が高くなります。

ここで疑問になるのは、「私立大は受験科目が少ないので合格しやすいのではないか」です。

結論から言うとそんなことはありません。国公立大は多くの科目を学習しなければなりませんが、私立大は科目が少ない分、ひとつの科目の失点が合否に大きく影響するからです。また、倍率が高いため、それぞれの科目で高得点を取らないと競争に勝てない現実もあります。ですから、私立大だからといって油断することなく十分な対策と、試験後の見直しを忘れずに行いましょう。

1-3.通い(自宅から通学)か一人暮らし

大学のキャンパスがどこにあるかを調べることも大事なポイントです。自宅から通える距離にあるか、実家を離れて一人暮らしをしないといけないのかによって学生生活が大きく変わります。一人暮らしをするとなれば、家賃に加えて光熱費や食費などの生活費がかかることになります。また、都市部のように家賃が高いところなのか、比較的リーズナブルな家賃の地域なのか考える必要があります。住まい選びは経済的負担に直結しますので、現実的な選び方をしましょう。

デメリットが多そうな一人暮らしですが、メリットもあります。ひとつは、自立した生活を練習できることです。医師として社会に出る前に実家を出て予行練習をすることで、医師になってからの忙しい生活の中でも、生活の慣れを生かすことができます。生活費に関して両親の理解を得られるのであれば、学生時代に一人暮らしの体験をしてみてはいかがでしょうか。

実家暮らしにもたくさんのメリットがあります。地元の大学にすれば自宅から通えますので、家賃や光熱費などの生活費の負担をぐっと減らせます。そして、家事は家族で分担できますので、テストなどで忙しい医学部生にとっては大きなメリットになります。学生生活のうちに、医学の学習に専念したい生徒には実家暮らしがおすすめです。

2.校風が自分にあっているか

同じ医学部であっても、大学ごとに校風というものがあります。とにかく真面目に勉強に専念する人が多い大学もあれば、比較的自由な雰囲気の大学もあります。こうした校風の違いは教育現場の雰囲気や学習環境に大きく関係します。また、6年間という長い学生生活を楽しく過ごせるかにも関わってくる重要なポイントでもあります。では、どうすれば校風がわかるのかをチェックしていきましょう。

校風の違いはやはり実際に大学に通っている人に聞くのが一番です。インターネット上の口コミなどでもチェックできますが、正しい情報かどうかの判断は難しく、憶測に近い情報が流れていたりすることもありますので、あくまでも参考程度にしておくことをおすすめします。一番確かなのは、その大学に進学した自分の母校の先輩に聞いてみることです。また、医学部専門予備校で聞いてみるのも良い方法です。たくさんの大学の情報が入ってくるところですし、現役医学生からの話も伝わりやすいので、校風についての情報収集をするのにもってこいです。

3.ブランド力があるか

受験生が集まる大学というのは、ブランド力がある大学が多いです。同じ偏差値ならできるだけ名の知れた大学に行きたいというのが、受験生やその家族の希望かもしれません。ブランド力は知名度と共に、その伝統の深さによって決まります。基本的には歴史の古い大学ほどブランド価値が高く、実際に入試倍率も高い傾向にあります。国公立大はいわゆる旧帝大と呼ばれる大学であるほど歴史が古く、人気も高い傾向にあります。私立大の場合でもやはり伝統校とされるところほどブランド力が高くなります。

私立大は「私立御三家」と呼ばれる、「慶応義塾大学」「東京慈恵会医科大学」「日本医科大学」が歴史のあるブランド力の高い大学といわれることがあります。私立御三家は東京に集中しています。それに続き、旧医学専門校として設立され戦後に医科大学となった私立大が続きます。この旧医学専門学校は10校あって、全国に存在します。そして、その次に新設の医科大学が続きます。

このように歴史の古さがブランド力を決める傾向がありますが、新設医大でもブランド力が高いとされるところもあります。研究実績が非常に高く海外から評価されている大学や、特定の分野で優れた実績を残している大学は知名度がとても高いからです。自分の中で特定のジャンルの医学分野を究めたいと思っているのであれば、そのジャンルにおける実績や知名度を基準にすることも有効です。

4.なりたい医師像に近づくことができるか

同じ医学部でも、カリキュラムや得意とする分野が異なります。たとえば、基礎医学の研究に集中的に取り組んでいる大学や、先端医療に強みにして新しい情報を取り入れた教育を行っている大学も見られます。こうした教育方針の差は、医師としての臨床経験の違いを生み出すことになります。

そのため、将来こんな医師になりたいというイメージを実現してくれる大学を選ぶことが肝心です。力を入れている研究分野は何か、先端医療を重視しているか、地域医療を中心としているかなどの要素をチェックして自分に合った大学を探しましょう。また、将来開業医になりたいのか、病院勤務が良いのか、研究医になりたいのかもある程度考えておくといいでしょう。というのも、研究医になりたい場合、研究医コースを取り入れている大学に通うことで、大学側から特別な奨学金をもらえる場合があります。自分の進路を決めておくだけで、学費を安くすることもできます。

また、特に地域医療に携わりたいと思っているのであれば、どの地域で貢献したいのかも重要な点となります。多くの人が自分の生まれ育った地元の医療に貢献したいという希望を持っているようです。しかし、中には離島の医療に興味がある、幼いころ過ごした地域で医療をしたいという考えを持っている人もいます。地域医療をしたいのであれば、やはりその地域にある大学を選んだ方が良いのでしょう。

他にも、国際交流を重視している大学もあり、国際的な医療活動に携わりたい人に有利な環境を提供しています。欧米の先進的な医学を実践している医大と提携して留学ができる制度を設けていたり、在学中に臨床をさせてもらえる機会を提供していたりします。医大生時代に海外の経験ができれば、将来大きな力となるはずですので、国際的な医療に興味のある方は海外交流の実情についてもリサーチしてみましょう。

5.まとめ

医学部は大学によって、受験の難易度や在学中の経済的負担、受けられる教育などが変わってきます。それだけに慎重な選ぶことが大切です。単に気になるというだけでなく、今回取り上げたポイントを検討して、自分の夢を叶えられる大学選びをしてください。

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