2023.05.15更新日

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社会人から医学部を目指すときに知っておくべきポイントとは?

社会人として就職したのちに、医学部にチャレンジする人は多くいます。例えば、何らかの事情であきらめざるを得なかった人、社会人になってから医師になりたいと考えるようになった人など理由は様々です。こうした社会人から医学部に合格することは現実的に可能なのか、入学の可能性を上げるために何ができるかをご紹介します。

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社会人から医学部を目指すことは可能か

結論から言うと、社会人でも医学部に合格することは可能です。文部科学省のデータを見てみると、22歳以上の受験者は例年2万人以上いて、受験者全体のうち6人に1人程度が社会人受験生となっています。社会人になってから、もしくは医学部以外の学部に入ってから再度医学部にチャレンジしている人がとても多いことがわかります。また、合格者は毎年10%程度で、簡単ではないにしろ社会人受験生も医学部に合格することができているということが分かります。

そもそも、医学部に合格するのは狭き門です。その上、社会人となると毎日のように仕事があるので、さらに合格へのハードルは高くなると考えられます。合格のためには、どのように学習時間を確保するか、いかに無駄な学習をしないかが重要となるでしょう。

2.社会人から医学部を目指すメリット・デメリット

社会人からの受験は不利になることばかりではありません。正しくメリット・デメリットを理解することで、得意を伸ばしたり、苦手に対処したりと、受験を有利に進められます。今の自分の状況をプラスに働かせる方法をご紹介するので是非ご覧ください。

2-1.メリット

社会人受験生の大きなメリットとしてまず、豊富な経験値が挙げられます。これが大きな武器となることは間違いありません。医師は単に医学的な知識や技術を持てばいい訳ではなく、患者さんに寄り添う配慮やサービス精神、経営などの感覚も必要となります。病院にとっても患者さんにとっても、社会経験をもとに様々な視点から物事を考えられる人は即戦力となる貴重な人材です。大学側もこの経験値を高く評価するため、面接等では必ずアピールしましょう。

また、社会経験を通して高い思考力や応用力を身に着けているのもメリットと言えるでしょう。学力試験ではシンプルに知識があるかないかを問う問題もありますが、いろいろな知識を組み合わせて考えさせる問題もたくさんあります。特に国公立大の二次試験では知識を活用させる出題傾向にあり、考える力を身に着けている人が高得点を取り得ます。人生経験から得られる思考力、応用力を二次試験で発揮することができれば、合格に大きく近づくことができるのです。

医学部受験では多くの大学が小論文と面接を実施しています。学力だけでなく、それぞれの思考力や伝える力、資質や態度も合格に欠かせないポイントとなるわけです。社会経験を通して、プレゼンなどの誰かに物事を伝える機会が多かったという受験生にとっては、面接で大きなメリットとなるでしょう。

2-2.デメリット

社会人で一番ネックになるデメリットは、確保できる勉強時間が少ないことでしょう。医学部合格に必要な勉強時間は5,000時間と言われています。学生の頃の知識が少し残っているとは言え、少なく見積もっても3,000時間ほどは学習しなければ医学部に合格することはできません。この学習時間を社会人生活の中でいかに捻出できるかを考えることが合格へのカギになります。

つぎに、学生として勉強をする習慣が薄れていることもデメリットです。何時間も集中し続けることに苦労したり、効率的な学習方法を忘れてしまっている可能性があります。必ずどこかで学生の頃と違う自分に直面するのです。多くの再受験生がここで挫折してしまいますが、今このデメリットの存在を知り、インプットすることができたなら対処することも可能でしょう。「昔の自分と変わっていて当然だ」という意識を忘れずに、自分の変化に適応していきましょう。

最後に、受験に必要な知識が昔と変わっていることもデメリットとして挙げられます。高校生の時に習った内容が変わっていることや、学習範囲が増加・減少している科目があります。そのため、高校時代の勉強の延長として学習をするのではなく、一から勉強し直す必要があります。「昔にやった内容だから平気」と思うのではなく、昔やった内容でも、変化したポイントはないかをしっかりと確認しましょう。

3.受験方法

社会人が医学部受験をする方法は主に一般入試と学士編入という2つの手段があります。それぞれに利点がありますので、まずはどちらの方法を目指すかを検討しましょう。

3-1.一般入試

一般入試は共通テストや二次試験を受ける方法で、一般の現役生や浪人生といった一般的な受験生と一緒に入試をします。私立大学では独自の試験を設けているケースも多いです。大学側で一般入試向けの合格枠を設けていますので、その中に入るための競争をすることになります。一般入試の利点としては、学力のみで勝負できるという点を挙げられます。単純にテストで高得点を出せれば誰でも合格できるやり方ですので、学力に自信がある人には良い方法です。

また、一般入試の合格枠はほとんどの大学で最も多く定員数が設けているのもメリットです。もちろんそれだけ受験者も多いのですが、合格枠が大きいからこそ繰り上げ合格のチャンスもあります。医学部を目指すならぜひ出願しましょう。

3-2.学士編入

学士編入というのは、医学部とは異なる学部を卒業して学士号を持っている人が医学部に編入する制度です。学士や大学によって違いはありますが、合格すれば医学部の2年次もしくは3年次にそのまま編入することができる制度です。

学士編入はすでに大学卒業をしている、もしくは卒業見込みがあることが条件となりますので、当然現役生や浪人生は受験対象ではありません。そのため、一般入試のような厳しい競争をしなくても良いのが大きなメリットです。また、受験科目が少ないため、複数科目の勉強に時間を多く取らなくても良いのも、社会人にとってはうれしいところです。もう一つは、2年次以降の編入となるため、少なくても1年以上の大学学習期間を短縮できるという利点があります。医学部は卒業までに6年かかりますので、社会人となってから全期間通学するとなると医師デビューするのはかなり遅くなります。学士編入だと1年か2年ショートカットできますので、時間を無駄にせずに済みます。

一方で、そもそも学士編入を実施していない、もしくは編入枠が狭い大学がほとんどであることに注意しましょう。事前に入りたいと思っている医学部の編入制度には必ず目を通しましょう。また、学士編入にも試験があり、その科目は一般的な学力対策がしづらいことが多いです。たとえば、「自然科学」や「生命科学」といった試験科目を設定していて、一般入試のような五教科とは異なります。そのため、志望する大学の過去をしっかりと分析して十分な対策を取る必要があります。内容によっては、テキストや対策問題集がほとんどないということもありえますので前もって十分な対策を取りましょう。

4.社会人から医学部へ 重要なポイントを一挙解説!!

まず始めに、「医学部に絶対合格するんだ」と覚悟を決めることが大切です。社会人から医学部受験をするのは、今まで見てきたように簡単な道のりではありません。そのため、強い動機や覚悟がないと、仕事と勉強の両立で精神的に参ってしまいます。なんとなく受験勉強を開始するのではなく、自分なりの目標設定と、やり遂げるという覚悟をもって受験勉強を開始しましょう。

次に、学費や在学中の費用についての現実的な備えをしておくこともポイントです。医学生となれば今までのように仕事を続けるわけにはいきませんので、収入は確実に減少するといえます。そして、私立大学に入ればかなりの学費がかかることになります。国公立大学に入ったとしても、在学中の家賃などの生活費がかかります。今までの仕事で蓄えたお金でやっていけるのか、親の援助が必要かなどを事前に考えましょう。

そして、時間と環境作りを事前にしておくことも重要になるポイントです。残業や休日出勤をせずに済むよう会社側と話し合っておくことや、受験対策に入るまでに有給休暇をできるだけ使わず、勉強のために消化できるようにしておくのも良い方法です。そして、学習計画をしっかりと立て、毎日どのくらいの時間勉強するのかを決めます。休日などはかなりの時間勉強をする必要がありますので、休みの日にできるだけ予定を入れないようにしておきましょう。

また、勉強に集中する環境づくりは仕事関連だけではなく、勉強空間も大切であることを忘れてはいけません。社会人になると、そもそも自宅に勉強机がないという人も多いものです。また、ゲームやテレビなど家の中で遊ぶツールがたくさん増えて、勉強の邪魔になってしまうこともあるでしょう。一度、家の中を整理してひたすら勉強に取り組める空間にしましょう。もし、自宅での勉強が難しい環境であれば、医学部予備校に通って自習室で勉強することもできます。学習に大切なことは自分にとって集中できる空間を1つは持つことです。

最後に、受験期間または合格後の大学生活においては、親族からある程度の支えが必要であることを覚えておきましょう。受験期間、医学部生活ではどちらとも勉強に追われる毎日です。バイトをする時間はかなり限られるため、ひとりで勉強と生活を両立させることはかなり難しいです。そのため、受験前に親族からの理解を得て、少しでも支えてもらうことが大切になります。医学部の面接と同様、親族に自分の熱意をすべて伝えましょう。

5.医学部専門予備校への入塾を検討

医学部合格のためには、共通テストでかなりの高得点を取る必要があります。二次試験や私立大学の独自試験では、独自性の強い応用問題が出されます。こうした対策をするには、自習だけでは厳しいものがあります。特に社会人受験者は、現状の学力分析もできていない可能性が高いので一人では厳しいでしょう。そこで、医学部専門予備校への入塾を真剣に検討してみましょう。医学部専門予備校では、レベルにあった効率的な受験対策ができるとことや、良質な自習室が利用できること、同じ医学を目指す仲間と情報交換ができるなど、医学部合格のためには完璧な環境です。気になる方は、一度足を運んでみましょう。

6.まとめ

社会人でも医学部を目指すことは十分可能です。ただし、そのハードルは高いものですので、しっかりとした準備と自己分析、効率的な受験対策が必須です。医学部予備校も検討して、合格のチャンスをできるだけ高められる取り組みをしましょう。

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