2023.07.07更新日

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旧帝大医学部って? 難易度など気になる情報を解説

医学部を目指すことを決めたら、次はどの大学を受験し進学するかを考えることになります。医学部を持つ大学は全国にありますが、中でも旧帝大医学部と言われる大学は教育レベル、ブランド力とも高く、とても人気があります。そこで、そもそも旧帝大医学部ってどんなところなのか、それぞれの大学の特徴と難易度を把握しておきましょう。その中から志望大学を選ぶにしても、他の大学にするにしても、大学選びの基準を得ることができます。

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1.旧帝大医学部って? そのメリットを解説!

日本の大学制度は、戦前と戦後で大きく変わっています。戦前には帝国大学という名称で、7つの大学に医学部が設置されていました。その時代の大学は現在でも続いていて、今でも日本の中でトップレベルの研究と教育を行っています。それが旧帝大医学部というわけです。以下の7つの大学が旧帝大医学部に該当します。

・東京大学医学部
・京都大学医学部
・大阪大学医学部
・名古屋大学医学部
・東北大学医学部
・九州大学医学部
・北海道大学医学部

これらの旧帝大医学部は、長い歴史の中でたくさんの医師を輩出してきた実績がありし、日本の医療を支えてきた医療界の屋台骨と言うこともできます。そのため、日本でも有数の教授や講師が集まっていますし、キャンパスを含めた設備もかなり充実しています。なによりも歴史ある大学ということで、そのブランド価値や知名度は非常に高いです。

つまり、旧帝大医学部は、教育や、研究、ブランド力など多くの面でメリットがあるのです。

医学生としての経験を積みやすいのもメリットです。こうした大学の附属病院にはその歴史や経験から珍しい症例が集まってきますので、他の大学の附属病因では経験できないような症例が扱われます。その分医師としてのスキルを磨きやすく、経験に基づいた判断の確かさを得られるのです。臨床医としての力をつけることもできますので、医師免許を取ってから有利に学習を進めることができます。

2.旧帝大医学部それぞれの難易度

このように、旧帝大医学部は日本国内でもトップの環境と教育の質を誇ります。当然、合格のハードルは高く、医学部全体で見てもトップクラスの難易度となっています。入試偏差値が高いだけでなく、希望者の数も多いため、かなりの競争率となるのも特徴です。

この旧帝大医学部の中でも偏差値の違いがありますので、比較してみて、自分の学力で入れるところはどこかを探ってみましょう。

2-1.東京大学

医学部に限らず、ほとんどの学部で日本トップの偏差値を誇る大学です。医学部つまり理科三類だと、偏差値は70を優に超えています。この偏差値は同じ東京大学でも、他の学部より高い数字です。そのため、東京大学合格者の中でも理科三類は別格だとさえ言われることがあります。必死になって努力を続けても東京大学医学部のレベルに達するのは厳しく、努力だけでは追いつかないことも考慮しておくことが必要です。。

共通テストではほぼパーフェクトを取る必要がありますし、二次試験の難易度もかなり高いことで知られています。問題の傾向としては、基礎力を確実に押さえた上で高度な思考力を要する問いとなります。

2-2.京都大学

東京大学医学部とほぼ同じく、非常に高い偏差値をマークしています。やはり日本最高峰の医学部の一つと言えるでしょう。京都大学のどの学部も非常に難易度が高いですが、医学部はその中でも更に上に位置しています。

特に京都大学医学部の二次試験は、国内の大学試験としては異色の存在と言われています。基礎力を問う東京大学に対して、京都大学は難解で複雑かつ異次元の発想力を問う問題が多いとされています。通常の思考力では解答の糸口も見つけられないような問題が出てくるので、いわゆる天才肌の発想ができないと、点数を取るのが難しいです。それだけに、京都大学医学部を目指す人はここに特化した受験対策を取らなくてはいけません。

2-3.大阪大学

阪大学の偏差値は60台中間から後半です。しかし、偏差値だけの情報とは裏腹に、志願者が多く入試倍率も例年高いので、コンマ数点の差で合否を分けることになり。大阪大学は研究医になりたい学生が集まってくる傾向があるため、志望者の傾向が他の大学よりもはっきりとしています。その分、同じ目標を持つライバルがたくさんいて、競争が激化しやすいのが特徴です。

2-4.名古屋大学

名古屋大学も偏差値は60台中間~後半の偏差値となっています。受験に条件が付きますが、後期日程が組まれていますので、受験に関する選択肢が広がります。受験条件のこともあり、比較的、地元の学生が集まりやすい大学とも言えます。

2-5.東北大学

偏差値60台中間といったところで、旧帝大の中では比較的に対策を取りやすい大学といわれています。とはいえ、東北地方で最もレベルと規模の大きな医療研究、地方医療を提供する機関ですので、東北地方を中心にたくさんの受験者が集まる大学です。そのため、例年入試倍率は高めで、ライバルとの競争に勝つ気持ちがないと合格は厳しくなります。

2-6.九州大学

九州地方では最も難易度の高い大学で、四国・中国地方、そして九州地方一円から受験生が集まってきます。人気が高く、入試偏差値だけでなく入試倍率も高いので、実質的に難易度は高めとなります。国公立大学では珍しく、もちろん旧帝大医学部では唯一、面接試験を行っていないのが特徴です。もちろん旧帝大医学部で面接を行わない唯一の大学で、純粋に学力だけで勝負したいという学生が集まってくることも、受験の大きな特徴と言えるでしょう。

2-7.北海道大学

入試偏差値や倍率を見ると、受験の対策がしやすい大学です。北海道だけでなく、全国から学生が志願してくる傾向があり、オープンな雰囲気があります。北海道という土地に魅力を感じて入学を希望する人もいます。大学院への進学率が他の大学よりも高いため、研究医を目指す人も多く受験する傾向が見られます。

3.旧帝大医学部それぞれの特徴

旧帝大医学部それぞれに難易度が異なるのと同じく、教育の方向性や雰囲気、設備なども大学による違いがあります。学力の比較と共に、こうした大学ごとの特徴も押さえて、自分にとって最も適した大学を選びたいものです。

3-1.東京大学

東京大学では進振制度が設けられています。これは入学した後に学部を分けるという仕組みで、最初から医学部と指定して受験をするわけではありません。最初は、理科三類という分類で受験します。基本的には理科三類に入学した学生がそのまま医学部生となるのですが、まれに他の類からも医学部に入るケースも見られます。

東京大学は国内トップの教育レベルを持っているだけでなく、その歴史も日本トップです。医療における貢献度は非常に高く、そもそも他の旧帝大医学部の開設や発展のために、東京大学医学部の卒業生たちが関わってきた過去があります。そのため、他大学に与える影響、当然医療界全体に当たる影響力は甚大だと思われます。

そして、非常に珍しい難病などの症例を扱っているのも特徴です。他ではほぼ見ることができない症例の経験を積むことができて、臨床医としての幅を広げたり、研究医としての知見を積んだりするのに最高の環境となります。国からの予算も充実していて、医療関連の設備は最新で高度なものばかりですし、キャンパス自体も充実しています。

カリキュラムの特徴としては、2年次までは基礎教養の学習がほとんどで、3年次にならないと医学が始まらないことです。その分、3年次以降の医学の授業はかなり詰め込まれていてハードです。そもそも理科三類に合格できるような学生は非常に優秀なのでそんなハードなカリキュラムにもしっかり付いていけるのですが、他の大学に比べると進級が難しい大学でもあります。

3-2.京都大学

京都大学の大きな特徴は、世界でも注目される研究がなされていることです。iPS細胞の研究や移植手術についての実績と研究レベルは、世界トップクラスとされています。そのため、先端医療の研究をすることもできますし、将来につながる技術を身につけて、臨床医として活躍することもできます。上記のように、入試もユニークな発想力を問うものですが、カリキュラムや研究も想像力を刺激するものが多い傾向にあります。

京都大学では、いわゆる飛び級制度を設けています。研究員育成特色入試と呼ばれ、年齢が低くても大学に入れるので、いわゆる天才学童が入ってくるような大学でもあるのです。

3-3.大阪大学

基礎医学研究に力を入れているのが特徴です。そのため、早い段階から学生が医学に触れて、研究を行えるカリキュラムスケジュールが作られています。他の大学よりも教養のみの学習をする期間が短い分、早く医学を勉強したいと考えている人にはうれしい内容です。

大阪大学のキャンパスは学部によって場所が異なり、医学部は郊外にあるため、ゆとりのある雰囲気が見られます。多少交通の便が悪いところもありますが、落ち着いた環境で学べ、新しいキャンパスなので設備がきれいで整っているのがメリットです。

3-4.名古屋大学

研究分野における実績が豊富で、異なるジャンルのゼミがいくつも存在しています。そのため、自分が進みたい分野、もしくは深く研究したい分野を見つけて、究められるのが良いところです。一般的な臨床についての学習よりも、研究によって培われた複雑な知識が講義で提供されることもあります。

キャンパスには地下鉄駅がつながっていますので、かなりアクセスが良く、通いやすいのも特徴です。都市部にあるため、生活にも便利で、学生生活を快適に過ごすのにとても良い環境と言えるでしょう。

3-5.東北大学

東北地方の地域医療の軸となっている大学です。また、大震災を経験してきたことから、災害医療に非常に強く、専門の研究や医療チームを持っているのも特徴と言えます。研究分野でも世界的に注目されるような実績を多数残していて、幅広い分野における知見を蓄積しています。臨床実習に力を入れているのも特徴で、臨床医になりたい人は、在学中に自分の目で見て学べることがたくさんあるでしょう。海外との交流も充実していて、構内にたくさんの外国人を目にすることができますし、海外大学医学部への留学も可能です。

3-6.九州大学

九州地方だけでなく、周りのエリアからも学生が集まる大学です。施設設備の充実度が高いことで知られていて、快適な環境で勉強を続けられます。学生目線でのキャンパス作りをしていて、24時間いつでも図書館を使えるなど、医学生にとってはうれしい環境となっています。また、九州地方の他の大学との交流が活発に行われていて、症例研究の情報交換や部活動での交流などが盛んです。

3-7.北海道大学

1年次から基礎医学についての学習が始まります。そのため、すぐに医学に触れることができるのがメリットです。その分、学年が上がった時には臨床にたくさん出られることになります。実験や実習も含めて、経験できる内容が広く、時間数も多いので、総合力に優れた医師になる環境が整っています。

また、土地柄、北海道大学はとてもオープンな雰囲気があることで知られています。他学部との交流も深いですし、他大学を含めて、地域とのつながりもあります。大学時代に良い出会いをたくさん見つけられるでしょう。

4.まとめ

旧帝大医学部は日本の大学制度、そして医療における歴史を作ってきた大学です。それだけに高度な教育を受けられますし、将来につながる高いキャリアを得られます。偏差値も倍率も高く、受験は簡単ではありませんが、それだけの価値のある大学ですので、真剣に受験を検討してみたいものです。

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