2023.10.31更新日

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医学部受験に年齢は関係ある?データを用いて解説

医学部を受験するのは現役生だけではありません。いわゆる浪人生に加え、既に大学を卒業している社会人や他学部に進学したものの医学部を受験し直す再受験者も多く、他の学部よりもその割合は高いです。当然、再受験生は年齢が高くなりがちです。現実問題として、どのくらいの年齢まで受験が可能なのでしょうか、データを交えて考察してみましょう。また、浪人生や再受験生ならではのメリットやデメリットを取り上げて、どのようにして合格を目指して努力を続けたら良いかをチェックします。

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1.医学部受験に年齢は関係ある?

基本的なこととして、医学部受験において年齢制限は設けられていません。そのため、何歳になってもチャレンジすることは可能です。

ただし、防衛医科大学のように、特殊な条件で教育を提供している大学については年齢条件があります。たとえば、防衛医科大学では18歳以上21歳未満という制限を設けています。こうした一部の大学を除いては、受験そのものに年齢制限はありません。そのため、多浪生と呼ばれる複数年浪人を続けている人、社会人となってから受験する再受験者の中には、20代後半や30代になる人もいます。

実際に医学部受験のうち浪人生の受験者は65%、合格者は60%程度です。他のすべての学部も合わせた大学全体のデータでは、浪人生の受験者は25%、合格者は15%程度となっています。つまり、医学部の受験者、合格者ともに浪人生の割合が非常に高いことが分かります。逆に言うと、医学部受験においては、現役で合格する者は多くなく、合格しているのは現役生より年齢が上の人が圧倒的に多いということです。

とはいえ、浪人生の中にも浪人1年目の1浪もいれば何年も浪人をしちえる多浪生もいます。統計によると、現役合格者が35%程度に対して、1浪が30%弱、2浪が15%前後、3浪で6~7%、それ以上が15%というのが平均的な数値となります。やはり1浪から2浪くらい、年齢で言うと20歳未満で合格している浪人生の割合が高くて、それ以上になると可能性が低くなることが分かります。

このような統計から、受験自体にチャレンジするという意味では年齢は関係なく、全ての人に門戸が開かれているものの、現実は年齢が上がっていくにつれて厳しい状況となることがうかがえます。実際に、ほとんどの大学では25歳未満の人が入学者全体の9割以上を占めていて、20歳後半になるとごくわずかとなってしまいます。30代以上となると、どの大学でも合格者がいないわけではないものの、非常に僅かな人数であることが現実です。実際に医学部に合格できるかどうかという点では、20代前半にチャレンジした方が良さそうです。

年齢が上になると合格率が下がってしまうのは、学力の問題が大きいと言えます。ただし、大学によっては、高年齢の人を敬遠しているように見えるところもあります。もちろん、年齢による上限枠を設けているとか、年齢が上がった人のスコアリングをあからさまに低くしているとは公表していません。しかし、実際の合格者の割合から、その傾向が推測できるような大学も少なからずあるのです。

一人前の医師になるには長い年月を要します。医学部の在学期間は6年間で、卒業後も臨床医として数年間研修を続けます。そうすると、一人前の医師として働けるようになるまで10年近くの歳月を経る必要があるのです。もし30代で医学部に合格したとすると、医師として独り立ちできるのは40過ぎになってしま可能性もあります。体力的にも衰えが出てくる年代ですので、大学としてもなるべく若い人を優先して入学させ、即戦力となる医師人材を育てたいと思っているかもしれません。

こうした事情は大学によってかなり異なります。20代後半の合格者がほとんどいない、年齢についての厳しい評価をしているように見える大学もあれば、毎年30代、40代の合格者が出る大学もあります。そのため、既にある程度の年齢になっているのであれば、大学ごとの傾向を事前に綿密にリサーチすることは、合格に直結するポイントになるかもしれません。

2.浪人生や社会人のメリット

医学部受験においては年齢が上がるにつれ合格へのハードルも高くなっていくようです。しかし、浪人生や社会人ならではのメリットもありますので、それを活かして受験対策をすることができます。

2-1. 時間の自由度が大きい

まず、時間を自由に使えることがメリットです。現役生のように高校に通う必要がありませんので、毎日多くの時間を勉強に充てられます。医学部合格のためには、5,000時間以上の勉強時間が標準的な目安です。勉強時間と合格率は大きな相関があるので、十分な勉強時間を取り分けやすい浪人生はその分有利なのです。

2-2. 苦手分野を把握しやすい

次に、すでに一通りの学習を終えているはずなので、弱点克服や特定の対策に絞った勉強ができるのもメリットです。国公立大学は受験科目が多いですし、私立大学でも全ての受験科目で高得点を取らないと合格は厳しいです。まんべんなくどの教科も高い偏差値を出し、弱点がない状態に仕上げて受験に臨む必要があります。浪人生は点数を落としてしまった分野を見つけて、そこに特化した対策をすることで、高得点を取りやすい環境にあります。すでに受験を経験していますので、より自分に合った対策を取りやすいというわけです。

2-3. 経験値の多さ、社会人で得た経験が役立つ

社会人としての経験を積んでいることもメリットと言えるでしょう。医学部試験、特に二次試験では、基礎だけでなく、応用力が問われる問題が出る傾向があります。社会人として考える力を磨いてきた、その経験を活かしやすいわけです。また、時間を効率よく使う方法や、無駄なくピンポイントに必要な学習をする術を知っている社会人が多いので、効率よく受験対策ができるのもメリットです。

医学部では、ほとんどの大学で面接と小論文があります。社会人としてたくさんの人に接した経験や、プレゼンの経験が役立つことが度々あるでしょう。経験を生かして効果的に自分の思いや考え、意見を伝えることができれば、面接や小論文でのスコアを稼ぎやすい状況にいるのです。

2-4. 会得したことが医師になってからも役立つ

医師になってからも、社会人としてのメリットを生かせます。

現在医師には、患者さんやその家族、医療従事者すべてと協力して治療を行うチーム医療が求められています。そしてチーム医療を行うためには、人間関係が良好である必要があるのです。そのため、社会人を通して対人コミュニケーションをした経験はきっと役に立つのです。自分の経験を将来の武器として生かしてください。

3.社会人や浪人生のデメリット

3-1. 仕事との両立が難しい

社会人から再受験するデメリットとしては、勉強時間の確保が難しい人もいるという点です。仕事を続けながら勉強をするとなると、平日は残業があったり、仕事の疲れが残っていたりしてかなり難しいものがあります。土日祝日がまとまった勉強時間を取れる時となりますが、家事などもあって、満足に勉強できない日も出てくるかもしれません。綿密に学習計画を立てて、生活のリズムを受験対策に合わせることから始める必要があるでしょう。

3-2. 受験勉強から離れていたブランク

次に懸念するデメリットは受験勉強をやっていなかった時間が長い、いわゆるブランクの問題です。社会人なっても多くの人が日々何らかの勉強はしているようです。しかし、社会人としてやっている勉強と入試に向けた受験勉強とではその目的や方法も大きく異なります。学生時代からかなり時間が経っている社会人に初めから受験勉強をやり直すことになることもあります。また、暗記したことがなかなか頭に残らないことや、柔軟な考え方が困難になっている可能性も考慮し勉強の計画を立てましょう。

3-3. 自己管理が難しい

3つ目のデメリットは、自己管理をするのが難しいことです。高校に通うことがないので時間の自由度は大きいですが、その分自分でコントロールしなければならない時間も大きくなります。勉強をせずに過ごしても、誰からも何も言われませんし、休日であれば好きな時間に起きて寝ることもできます。このような状態で医学部合格は厳しいでしょう。

この問題の有効な対策方法は予備校に通うことです。予備校にはカリキュラムが存在していて、自分だけでは甘えてしまうことをある程度防いでくれます。また、進捗状況が悪いときには講師や担当者が声をかけて支えてくれることもあるでしょう。

しかし、大手の予備校では他の生徒も多いためなかなか生徒個人に目を向ける時間がなく管理がゆるくなってしまいます。自己管理が苦手だという場合には大手の予備校ではなく、少人数の個人塾や医学部専門予備校に通うことも検討してみると良いでしょう。

自分の苦手を受け止めてひとつずつ攻略できる対策することが合格への道です。

3-4. 学習した内容が変わっている可能性

最後に大きなデメリットとして、学生時代に学習した内容が現在の受験生の学習している内容とは異なっている可能性があることです。教育課程の変化に合わせて中学や高校の学習内容も変わります。学生時代には学習しなかった内容や新たな発見による正答の変化などにも対応が必要です。学生の時に勉強した知識が今でも有効とは限らないため、受験の知識を再度確認し学習する必要があります。

4.社会人や浪人生から医学部を目指すポイント

これまで説明してきたように、年齢が上がってからの医学部受験は多少ハードルが上がります。そこで、ポイントを押さえた受験対策が非常に重要です。

4-1. 年齢に寛容な大学を選ぶ

まずは年齢に寛容な大学を選ぶことが重要です。全体的には国公立大学の方が寛容で、中には高年齢の人の受験実績が高いところもあります。前例があれば自分も受かる可能性があると考えて、こうした大学を優先して志願することも検討してみてください。

4-2. 医学部専門予備校に通う

勉強については、医学部専門予備校に通うことが合格のチャンスを高めるポイントです。予備校では医学部対策に特化した指導をしてくれますので、時間を無駄にすることなく、効率の良い勉強ができます。また、予備校に通うことで規則正しい生活リズムを送ることができ、勉強時間を確保しやすくなります。

そして医学部専門予備校は、大学受験や各大学について膨大なデータを蓄積していますので、情報収集がしやすのも特徴です。特に大学独自の二次試験の出題傾向を探り、的確な対策をするために、予備校のノウハウは欠かせません。面接でどんなことが質問されやすいか、小論文ではどんなテーマが問われることが多いかなどの情報も得られます。

4-3. 目標をあらかじめ考える

医学部に合格するためには明確な目標設定が重要になります。

医学部受験はモチベーションの維持が合格のカギになります。しかし、モチベーションは根性論でどうにかなるものではなく、具体的な目標によって維持されます。

偏差値をどの程度上げなければならないのか、医学部に入って何をしたいのかなど、具体的に目標を立てることで、自分を見失うことなく本番当日まで駆け抜けることができます。

誘惑に甘えてしまうことや、勉強が嫌になることが無いようにするために、ぜひ目標設定を行ってください。

5.まとめ

医学部受験については、明確な年齢制限はないものの、年齢がある程度上になると合格率が低くなってしまうようです。そのため、社会人や数年浪人生活を送ってきた人は、効率の良い勉強方法を活用し、真剣に受験対策に取り組む必要があります。医学部予備校に通うなど現実的な手段を講じて、合格の可能性を高めることが何より重要です。受験に有効な努力を必死に続けて、医師になるという夢を叶えましょう。

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