2024.10.21更新日

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私立大の医学部受験とは?わかりやすく解説!

私立大の医学部の受験にはいくつかの種類があります。特に注目されているが、共通テスト利用入試です。最もポピュラーな受験方法である一般選抜と併願する人も多く、複数の大学への出願が可能なので、チャンスの幅が広がります。

医学部を目指す方にとっては受験システムについて詳しく知っておくことが重要です。私立大の医学部受験の特徴や仕組みを把握し、自分にとって有利かつ効率的な入試を選択しましょう。

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1.私立大の医学部受験の特徴について

私立大の医学部の入学試験には主に、次の4つの方法があります。1つ目は、大学のポリシーにふさわしい人材を選ぶ「総合型選抜(AO入試)」。2つ目は、出身校からの推薦が必要な「学校推薦型選抜(推薦入試)」。3つ目は、複数の大学への門戸が開かれている「大学入学共通テスト利用(旧:センター利用)」。4つ目は、最もポピュラーな「一般選抜(一般入試)」です。

ほとんどの大学の入試枠は一般選抜が一番多く、全体の約8割を占めます。しかし近年は、共通テスト利用を出願する受験生が増えています。一般選抜だけに焦点を絞らず、複数の大学が一次試験とみなしている共通テストを併用した方が、合格のチャンスが広がる可能性があるからです。

医学部の入試は、国公立大・私立大を問わず非常に狭き門です。偏差値は首都圏の国公立大の方が高い傾向がありますが、私立大であっても高い偏差値が求められます。また、医療業界の人材が著しく不足していることから、医学部入学生の受け入れ人数を増員していたこともあり、これを狙って医学部を目指す学生も増えています。このため、私立大の医学部の競争率は非常に高く、国公立大・私立大共に難関となっているのです。入試では、僅かなケアレスミスが合否を分けることもあり、気が抜けないのが医学部入試です。複数の入試方法を活用して、少しでもチャンスの幅を広げれば、有利に入試が進められるでしょう。

2.共通テスト利用

一般的に「共通テスト」という名称で認知されていますが、正式名称は「大学入学共通テスト利用方式」です。2020年にセンター試験が廃止となり、2021年から大学入学共通テストが実施されています。名称が変更となりましたが、センター試験とほぼ同じシステムです。つまり、国公立受験で一次試験として利用される「共通テスト」を、私立大学の個別試験の代わりとする入試形式なのです。

共通テストは、同一期日に全国で一斉に実施される試験です。国公立大・私立大を志望する人が、同じ内容の試験を同じ日時に受験します。受験生はこの試験を受けて、入学を希望する大学に願書を提出します。これを受けた大学側は、志望者の共通テストの結果を確認し、合否判定を行うシステムです。

私立大の入学試験は、各学校が個別試験を行うのが一般的です。それぞれの大学には特徴があり、出題傾向も異なります。このため、私立大の入試勉強では、受験する学校の過去問題を解き、出題傾向を研究する必要があります。複数の私立を受験する場合、受験する学校の数だけ、出題傾向を把握しておかなければいけません。

しかし、共通テスト利用方式の場合は個別試験の対策をせず、共通テストの1つだけの対策に絞ることができます。複数の私立大を狙っている人はもちろんのこと、国公立大との併願者にとっても、受験校対策が大幅に軽減され、有利に勉強を進めることができるのです。効率的に勉強を進めたい、合格の可能性を高めたいというニーズに合致した、合理的な入試方式といえるでしょう。

私立大医学部の多くが共通テスト利用入試を採用しています。この入試にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

2-1.メリット

共通テストの最大のメリットは、1つの試験を受けるだけで、国公立大・私立大のさまざまな大学を入試が受けられることです。これによって、受験料を安く抑えることができます。各地域に試験会場が設けられますから、他府県の大学まで出かける必要がなく、交通費や宿泊代も節約できます。金銭的・時間的な負担が軽減されるのは、大きなメリットといえるでしょう。
また、共通テストを利用したからといって、一般選抜を受けられないわけではありません。どちらも受験することで、合格のチャンスを増やすことができるのも、大きなメリットです。国公立と私立に関係なく共通ですから、国立との併願希望の人にとっても嬉しいシステムとなっています。

2-2.デメリット

一方、デメリットは、一般選抜に比べて募集枠が少ないので、倍率が高くなることです。このため共通テストで高得点を取らなければ合格は難しく、合否のボーダーラインは80~85%といわれています。また、共通テストの受験日以前に出願しなければならない学校も多いので、志望校を早期に決めなければならないのもデメリットといえるかもしれません。

このようにメリットとデメリットがありますが、複数の大学を受験する場合には、有利な条件が多いといえるでしょう。

2-3. 「単独型」「併用型」とは?

そして大学入学共通テストには、単独型と併用型があります。国公立大の入試では、共通テストによる選抜の後に、二次試験を受けるという流れが一般的です。しかし私立大の場合は、共通テストの成績だけで合否が決まり、二次テストを受ける必要がない「単独型」があるのです。入試科目は大学によって異なりますが、5~8科目と幅広い科目が指定されることもあります。また配点比率も学校によって異なります。

これに対して「併用型」では国公立大と同様に、共通テストを受験してから、二次試験を受ける必要があります。医学部以外の学部では単独型が増加傾向にありますが、医学部の場合は「併用型」を採用している学校が目立ちます。これは入試において受験生の学力だけでなく医療人としての適正も判断しなければならない医学部ならではの特徴といえるでしょう。二次試験において、医師に適切な人物かどうか判断されるのです。

2-4.出願する際の注意点

まず、志望する大学が「単独型」なのか、「併用型」なのかを確認しましょう。そして、対象となる受験科目や配点比率の確認も忘れずに行ってください。どの科目を重点的に勉強すれば良いのかが把握できます。

共通テストと聞くと、6教科全てを受験するイメージがあると思います。国公立大の場合は6教科受験が一般的ですが、私立大では6教科全てを対象としていないところもあります。

英語・数学・理科の3教科が入試科目となっている場合もありますが、近年は受験科目が増加傾向にあります。志望校の入試要項をしっかりと確認しましょう。

3.一次試験

私立大の入試で最もポピュラーなのが、一般選抜です。医学部の入試は一次試験と二次試験に分かれているのが一般的で、一次試験は受験生の学力を図る最も重要な試験です。

試験科目は英語と数学、そして理科が2科目の合計4科目を受験必須科目としている医学部が大半です。しかし、大学ごとに求めている人材が違うため点数配分は大学ごとに異なります。受験前に必ず調べましょう。

一方、中には3科目のみの大学もあります。しかし科目数が少なく気軽に受験できるため、例年応募が殺到し高倍率となっています。また近年は、現代国語も重視されつつあります。医師はコミュニケーション能力が求められる仕事です。また学会への発表などでも国語の能力が不可欠ですから、現代国語を新たな選択科目として加える大学も出てきました。一次試験の出題傾向は学校によってさまざまです。入試対策として、志望校の出題傾向の研究は欠かせません。1校だけなら負担は少なくなりますが、複数の大学を受験する場合は、受験校対策に多くの時間を割く必要があります。

大学によって出題傾向が異なるとはいえ、そればかりに注力するのはおすすめできません。出題傾向は、あくまでも昨年度までの入試傾向です。入試科目の変更、入試問題を選考している担当教官の変更などにより出題傾向はガラリと変わることがあります。

何よりも大切なのは高校で学んだ内容をしっかりと理解することです。医学部では合否の重要なカギは基礎力です。わずかな点差が合否を分けることも医学部では、落ち着いてミスなく、標準的な問題はすらすらと解けるようになるまで、繰返し演習をしましょう。

教科書で学んだ公式などをきちんと理解し、基礎から標準問題を取りこぼしなく身に付け、応用問題につなげることが重要です。各大学で出題される問題はそれぞれ違っても、求める解法は同じというケースは多いのです。問題の本質を理解することが大切です。そうしたことを前提にした上で志望校の過去問題を解き、どのような出題傾向があるのかを把握することが重要です。

4.二次試験

一般選抜や共通テストを合格したら、次は二次試験が待っています。
多くの大学では、二次試験に面接と小論文が課されます。医師は患者さんやそのご家族、さらには看護師をはじめとするさまざまな医療スタッフと毎日接する仕事です。いくら学力が高くても、医師としての資質に欠けていれば、良質な医療を提供することはできません。医学部には人の命に直接関わる仕事としての責任の重さを理解し、誠心誠意患者さんと向き合える人材が求められています。医師として適切な資質を問うのが、二次試験の面接と小論文なのです。合否の判定では、一次試験の結果に重点が置かれていますが、二次試験の面接や小論文で医師の資質が不適と判断されれば不合格となります。一次試験のできに関係なく二次試験では気を抜かないようにがんばりましょう。

面接では、明るくハキハキと答えてください。また、自己アピールばかりに気を取られて、相手への配慮がおろかになってはマイナスです。相手の話にしっかりと耳を傾けること。特に、集団面接の場合は、他の受験生の意見をきちんと聞き、相手の意見を踏まえて自分の考えを述べるよう心掛けましょう。患者さんの気持ちによりそった医療を提供するためには、相手の話をしっかりと聞く能力が求められます。

小論文では、出題された文章を正しく読み解き、それを元に自分の考えを論理的かつ医師にふさわしい解答が備わっているかチェックされます。しかし、学生のうちに医師にふさわしい解答を身に着けることは容易ではないので参考書を利用して、医師としての資質や思考方法を学習することが大切です。いくら上手な論文であっても、人に対して思いやりのない主張、自分勝手な主張など、医師としての適性がないと判断された場合は不合格となります。

5.入試スケジュール

私立大の医学部入試では、入試スケジュールの管理も重要です。毎年、1月中旬の共通テストに始まり、その後すぐに一般選抜の一次試験や二次試験などが連続的に続きます。当然、各大学の受験会場も異なるため試験会場の移動だけでも大変な労力となります。うまくスケジュールを組まなければ、試験会場に行くだけで体力的、精神的にも疲労してしまい試験に集中することができません。

1月中旬から2月にかけて、ほぼ毎日のようにどこかの大学で試験が行われています。複数校を受験する場合は、一次試験と二次試験の日程をよく確認し、スケジュールを調整しましょう。入試日が重ならないことはもちろんですが、連日の試験で疲れないようなスケジュールを組むことも重要です。また、遠方への受験では、試験会場までの移動日を考慮する必要もあります。

医学部受験の場合、スケジュールの組み方は合格のカギを握ります。志望校と志望校の1ランク下の大学の受験のスケジュールを調整することで、志望校受験までに試験会場にある程度なれることができるのです。また大学の試験問題を当日に解く体験もつむことができるため受験を有利に運ぶことができるでしょう。

医学部受験のスケジューリングについては、医学部受験に特化した教師や医学生に聞くことが一番手っ取り早いです。一度、医学部専門予備校に足を運んでスケジューリングの方法を学ぶのもいいでしょう。

6.まとめ

医学部入学は、並大抵の努力や学力では厳しいといわれています。共通テスト利用や一般選抜との併用、また学校推薦型選抜を利用するなど、多くの選択肢から最適な入試を選ぶことで合格の可能性を上げることもできます。

各学校の募集要項をよく読み、上手にスケジュールを組み、少しでもチャンスを増やす入試対策を行いましょう。

(2024年10月現在)

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