2022.12.06更新日

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「医学部受験」 生物を選択するメリットとは?

医学部を目指す皆さん、医学部受験において理科科目は化学・物理・生物の3科目から2科目選択が普通です。理科を1科目選択にすることは非常に稀です。多くの医学部受験生は1科目目を化学、2科目目に物理で選択する人が多いようです。なぜ2科目の選択を物理にしているのでしょうか?医学部受験において生物選択は不利なのでしょうか? そんなことはありません。

そこで今回は「医学部受験において生物を選択するメリット」についてご紹介。生物選択にしかないメリットも盛りだくさんですので、是非参考にしてみてください。

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そもそも医学部受験の理科は2科目選択!?

医学部受験では、基本的に理科4科目から2科目を選んで受験します。理科の4科目とは物理、化学、生物、地学の4つですが、地学はほとんどの人が選択しません。というのも、地学の履修がある高校がそもそも少ないことや地学では受験できない大学もあるからです。地学で受験が可能な医学部は、東京大学、金沢大学、信州大学、愛媛大学など一部の大学しかありません。高校で履修が可能かつ志望校が地学受験可能である場合以外は、医学部受験において地学を選択する必要はないでしょう。

つまり、ほとんど受験生は理科を化学、物理、生物から2科目を選ぶことになります。多くの人がまず化学を選択します。すると、もう1科目を物理と生物のどちらかを選択することになります。では、2科目は物理と生物のどちらを選ぶのがよいのでしょうか。 一般的には物理を選択する受験生が多いようです。物理科目は医学部以外の理系学部受験に使えるほか、物理選択者数が多いという環境要因が選ばれやすい理由と考えられます。また生物は暗記量が多いという事実からも暗記が苦手な受験生は物理を選択しやすいと考えられます。

それではなぜ選択者数の少ない生物科目を選択する医学部受験生がいるのでしょうか? それは、医学部受験において生物科目にしかないメリットがいくつかあるからです。

生物を選択するメリット3選

1.得点源になりやすい

先ほど生物は暗記が多いと述べましたが、暗記科目は一度覚えてしまえば大きな得点源になります。基礎をしっかり身につけておけば、安定して得点できるようになるでしょう。確かに、人によっては物理のほうが高得点を取りやすい科目と言えます。物理ではケアレスミスが命取りになる危険性があります。一つのミスのために、以降の問題も連鎖的にミスするということがあり得る科目です。一方、生物ならたとえ満点は取れなくても、暗記で習得した知識を使えば60%程度は安定して取れるようになるでしょう。また、物理ほど複雑な計算を要求されるわけではありませんし、内容が独立している問題もちらほらあるため連鎖的に失点するリスクが少ないのも生物選択のメリットです。

2.化学の学習内容が生物にも役立つ

生物を勉強しておけば、その知識を化学に生かせるというメリットもあります。たとえば、アミノ酸、たんぱく質、糖、核酸でお馴染みの天然高分子は生物でも化学でも頻出分野です。しかも、化学で天然高分子化合物の範囲を学習するのは高校生活の終盤。知識ゼロから取り組む手間から多くの受験生はあきらめてしまう分野なのです。しかし、生物で得た予備知識を生かして取り組むことができれば簡単に多くの受験生と差を付けられるチャンスとなるのです。

3.医学部入学後の学習にも通じる

医学部の1年次は高校生物の範囲を含む学習を高校生物の深い理解は物理選択者よりも大きなアドバンテージがあります。また医学部に入学したその先、卒業して医師になってからのことを考えても、高校で生物を勉強しておくことにはメリットがあります。それは高校生物には医学に通ずる一面があることです。発生学や分子生物学などの生物学、神経科学、免疫学、病態生理など、医学には様々な生物分野の基礎知識が求められます。単に受験時に有利になるというだけでなく、その先の将来まで含めて生物は役に立つのです。

生物で受験が有利になる人の特徴4選

理科科目に時間を割けない方にとてもおすすめ

医学部では英語、数学の配点が高い大学が多く、内容もとても難しいため英語、数学の習得に時間がかかるため理科に多くの時間を割きにくいです。その中でも生物は基礎的な単語の理解や流れの把握が主な学習内容なので及第点をとるまでに必要な時間が他の科目と比べても少ないです。ですので、数学や英語を身に着けるのに時間がかかってしまうという方にはとてもおすすめです。

2.計算ミスの多い方におすすめ

生物には数学や物理のような複雑な計算問題が少ないです。連鎖的に回答する問題ではなく1問1問が独立した問題から成り立っているため、あるところでケアレスミスをしても別の問題で挽回できるという利点があります。

3.読解力に自信がある方におすすめ

生物では思考力が問われる問題が出題されます。長文の問題文を読み、それを理解したうえで論理的な文章にまとめる力が必要です。ある程度の練習は必要となりますが、知識がなくても得点源にすることができる問題もまれに出題されます。読解が早い人や文章を簡潔にまとめられる方にとって生物科目は受験に大きなアドバンテージになるでしょう。

4.生物が好きだという方にも生物選択はおすすめ

物理のほうが医学部受験に有利と噂を聞いても安心してください。ほとんどの医学部では選択科目によって有利・不利が生じることはないです。受験は長期戦ですので好みや得意は大きな長所となります。生物が好きなら自信を持って生物を選びましょう。

生物おすすめの勉強法4選

生物の勉強法は、内容の理解と単語の暗記がメインとなります。どのような機序なのかを理解してしまえばひたすら単語の暗記です。他の受験科目への負担も少なくなるでしょう。

ただし医学部受験においては、実験考察問題の比重が大きくなります。暗記力ではなく、その場で資料を読み考える力が求められるため、日ごろから思考力を鍛える訓練を行うことをおすすめします。参考書や過去問を解く中で要求される思考や解き方を分析しましょう。具体的な方法は以下で説明します。

①はじめは流れの理解と知識のインプットが大切です。市販の参考書や学校で配られる問題集などを利用して知識のアウトプットを繰り返しましょう。また、一度暗記した内容も時間がたつと忘れてしまうものです。適度に自分の知識が抜け落ちていないかを確認しましょう。

②次は考察力を要する実験問題に取り組みましょう。生物の試験問題の元ネタは問題集や参考書に掲載されていることが多いです。問題集に繰り返し取り組むことで本番でも何を考察させたいのかがすぐにわかるようになります。考察問題を素早く解けるようになれば他の受験生と大きく差がつくので内容が予想できるくらいまで類似問題に取り組みましょう。

③参考書の論述問題は完璧にしましょう。生物では語句や現象を説明する問題と、観察や実験の方法や結果から考察する問題があります。前者に関しては、教科書や参考書に出てくる重要な語句や現象をチェックしておき、自分の言葉で簡潔に説明する練習をしておきましょう。後者に関しては上記で説明した考察力の問題と通ずるところがあります。学習した知識を用いた予想を記述する問題もありますので学習内容を自分の言葉で表現できるように常に意識しておくと良いでしょう。

④多くの過去問に触れてみよう。生物の受験対策の仕上げは大学の過去問です。大学ごとに出題範囲に傾向があり、深い内容まで聞かれる分野や全く出題されない分野まで大学によって出題傾向は様々です。また問題形式も様々で、取り組む中で大学ごとの論述形式や制限文字数の量、時間制限に慣れていきましょう。

まとめ

今回は生物科目のメリット・受験が有利になる特徴・勉強法を中心に生物選択のメリットをご紹介しました。これからどの科目を選択するか迷っている人は現在自分の得意不得意を見つめて、科目選択を慎重に選びましょう。

また生物選択者は医学部でのアドバンテージが大きいとはいえ、入学後の勉強をしなくていいわけではありません。医学部に入学してからも、日進月歩で勉強に取り組んでいきます。ですので、深く考えすぎずに自分に合う科目を学校や予備校の先生と相談しながら慎重に決めましょう。

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