2023.07.07更新日

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医学部受験で推薦合格するために抑えるポイントとは?

近年、入試の一つの形として定着してきた方法に推薦入試があります。推薦入試とは通常のような筆記試験だけではなく、面接や小論文を中心とする試験方式のことです。

一般試験だけではなく、推薦試験をうまく利用することで受験機会も増え、医学部への合格率をぐっと上げることができます。いま利用できる受験方法を上手く選択して医学部合格をつかみましょう。

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1.推薦試験の方法は2つ!

推薦試験には大きく分けて「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の二つがあります。

「学校推薦型選抜」は高校が推薦した受験生を大学が審査する方法です。国公立大学の場合は募集人数が多いこともあって簡単には合格できません。私立大学の場合は国立大学に比べ合格の可能性が高いといえます。

「総合型選抜」はもともとAO入試という名称で知られていました。これは自己推薦とも呼ばれ、条件さえ満たしていれば誰でも受験することのできる推薦入試です。学校からの推薦は必要ありません。

どちらの推薦入試も完全に筆記試験を免除されるというわけではありませんが、一般試験に比べて筆記試験の内容がそこまで難しくない傾向にあります。もちろん、小論文や面接は簡単ではないので、きちんと対策を立てる必要があります。しかし、推薦入試は通常の試験と併せて受験することができるため、合格のチャンスを増やすことができます。

2.医学部受験における推薦合格とは?

医学部受験でも推薦入試を活用することは可能です。多くの場合、医学部の推薦入試を受験するためには概ね「評定平均」の基準が大学ごと指定されており、その基準をクリアしないと受験ができません。「評定平均」とは大学が指定する高校の成績基準値のことで、国公立大学の評定平均値は極めて高く、出願できる人も限られます。自分の「評定平均」は担任の先生が把握しているので、推薦合格を狙う場合には早めに相談しておくようにしましょう。

次に、志望する大学の募集要項を早めに確認しておくことが重要です。例えば、出願条件として国際数学オリンピックの出場経験があることや、高い英語力があることを証明できる資料を提出することで推薦の募集要項を満たすことができる場合があります。

また推薦入試には、現役生のみに出願資格を与える大学が多いですが、中には現役生・浪人生を問わず出願資格を与えている大学もあります。しかし、浪人生に出願資格が与えられている場合でも卒業してから年数で出願資格を限定している大学が多くなります。早めに志望する大学に確認しておくようにしましょう。

また、医学部の推薦入試では「地域枠推薦」と呼ばれる特別な方法があります。これは地域の医師を確保する目的で大学が地域条件を設け、その条件を満たした受験生だけが出願できる推薦入試です。医学部を卒業した後は指定された地域にある病院で決められた期間勤務することが条件の推薦入試です。

3.医学部受験で推薦合格するために抑えるポイントとは?

3-1.小論文対策のポイント 4選

3-1-1.他者へのわかりやすい説明力

医学部の推薦入試に小論文が含まれている場合、小論文で学校側が把握したいことは受験生が論理的に説明できる人物なのかといった点です。そのため、小論文はできる限り論理的に書かなければなりません。

論理的な文章を書くポイントは構成をきちんと作ることです。小論文の基本的な構成は序論から始まり、本論で持論を展開して、結論で内容をまとめるという形です。もちろん、それ以外にも書き方はありますが、まずは基本の形をしっかりと理解しておくこと、そして基本の形に従って文章を書くことができるようにしておくことが大切です。原因と結果といった因果関係が明確になるように文章を書くことで、論理的かつ分かりやすい文章になります。

3-1-2.医学への興味・熱意

医学部推薦入試の小論文試験では、ほとんどの場合、医学や医療に関するテーマが出題されます。つまり、「医学に関してどのくらい興味を持っているのか」が確認されます。そのため、最新の医療に関するニュースや研究報告を確認しておくことが大切になります。その上で、自分の意見や考えをしっかり持ちましょう。医学に関する質問に対して、自分の意見をしっかりと持っていてそれを説明できることは、医学に興味があることを示すことに加えて熱意をアピールすることにもつながります。

3-1-3.適性・倫理観・使命感

医学部の小論文試験では「医師としての倫理観」を試されるテーマが出題されることがあります。例えば、「貧しい人も等しく医療を受けることができるようにするべきか」とか「安楽死についてどう考えているか」といったテーマです。

必ずしも正解があるわけではないテーマに関して持論を展開していくわけですが、その時に医師としての適性や倫理観がチェックされます。人道的かつ倫理的であるべきことは言うまでもありませんが、患者の気持ちに寄り添えることができるのか、自分の意見に固執せずに多くの人の見方や考え方を尊重できるのかといったことが見られます。人間的な優しさや温かさを意識した内容にすることを心がけると良いでしょう。

3-1-4.処理能力

多くの場合、小論文は長文を読んでからそれに対する意見を述べるという形が取られています。そのため、長文を早く読んで要点を押さえる処理能力が求められます。さらに文字数が指定されることがあり、指定文字数に大きく満たない場合には減点対象になります。

情報処理の対策としては、出題されているテーマに通じる知識を入れておくことが一番です。小論文対策の参考書には、小論文で満点を取るための思考回路や、文章内のポイントのつかみ方、頻出問題が載っています。処理能力に自信がない場合は特に、参考書を利用して、当日に行う情報処理の量を減らす対策をしましょう。

3-2.出願書類対策 6選

3-2-1.医学部志望理由

出願書類作成の際、医学部を志望する動機を具体的かつ明確に書いてください。志望するきっかけとなるエピソードや、将来どの専門科になりたいのかなどを深堀して記載しましょう。過去・現在・未来の時間軸を気にして書くと、自分の成長幅とこれからの期待をうまく説明できます。大学側に期待をかけてもらうように説明するととても評価が高いです。

3-2-2.本学志望理由

この大学でなければならない理由を具体的に挙げます。大学の特色や、最近あった大学の研究に関するニュースなどに触れると良いかもしれません。自分が理想とする医師になるために、志望する大学がピッタリであることをアピールするもの良い方法でしょう。

加えて、自分が大学に入ったらどんなことをしたいか、どんな授業や研究を楽しみにしているかも具体的に書けると良いでしょう。

3-2-3.高校における活動~部活・委員会・ボランティア

医学部を志望する受験生に大学が求めているのは「勉強を続けられる人」「リーダーシップがある人」です。さらには「コミュニケーション能力がある人」「主体性があり、努力できる人」も大学が求める人材の特徴です。

ボランティアや、部活の部長、生徒会役員、イベントの実行委員などの活動はぜひ書きたいアピールポイントです。イベントを通して成長したことなどを書いて、他の受験生よりも人生経験で差が出るようにしましょう。

3-2-4.資格・賞罰

資格やコンテストなどの入賞経験も推薦入試において大きな武器になります。資格を持っていることはその分野における高いスキルがあることを証明することができるのに加え、資格取得のために多大の努力をしたこともアピールできるからです。

自分のオンリーワンの個性で周りの受験生と差をつけることができるでしょう。

3-2-5.遅刻・欠席

遅刻や欠席が多いと印象はかなり悪くなります。学校推薦型選抜の場合には学校側が推薦してくれないことも多々あります。また、どんなに学力が良かったとしても、出席日数によっては減点もあり得るのです。やむを得ずに遅刻や欠席をすることもあるかと思いますが、欠席日数が多くならないように注意しましょう。

3-2-6.自己 PR/職業への適性

自己PRの部分では医師を志す理由に加えて、自分に適性があることをアピールします。強すぎるアピールは印象が悪くなりますが、逆に控え目すぎても熱意が伝わりません。丁度よいアピール加減にまとめ上げるには担任や予備校の先生にチェックしてもらうことが必要です。

3-3.面接対策 3選

3-3-1.万全の準備

面接の準備をしておくことには多くのメリットがあります。まず、練習と準備によって緊張を緩和することができるため、用意した内容をリラックスして話すことができるようになります。

次に面接の基本的なマナーでも、入念な準備によって相手に良い印象を与えることもできます。逆に面接の基本的なマナーが守られていなければ、どんなに内容が素晴らしかったとしても人間性に問題があるとみなされてしまうかもしれません。面接の準備は話す内容だけでなく、入退出時における基本的なマナーを準備しておきましょう。

3-3-2.面接官に長所を伝える

誰にでも長所があれば短所もあります。面接ではなるべく自分の長所を伝えるようにしましょう。もし、自分が短所と感じていることを質問されたとしても、自分の短所を理解していることを長所として、自分の成長できるポイントであるような旨を伝えましょう。ネガティブ思考は面接で印象がよくないので、なるべくすべてポジティブに変換して発言できるようにしましょう。

3-3-3.面接は「会話」と考える

面接を「会話」であると考えるとは、一方的に話をするのではなく、相手との双方向のコミュニケーションであると考えるということです。

一つの質問に対して講演のような長々とした答えを述べるのは印象が悪いです。相手が興味を持つよう短く答えて、詳しい点をさらに質問してもらえると印象になるでしょう。

また、面接官が話している時にはしっかりと聞きましょう。わからないことがあればなんとなく答えるのではなく、正直に聞きなおすことが大切です。相手の会話を真摯に聞く姿勢は、患者への「傾聴」に繋がります。医師として大切な資質を試験監督に示しましょう。

4.まとめ

医学部の推薦入試は、自分の合格の可能性を広げます。推薦入試にも様々な方法がありますが、基本的には学生の「倫理観」「継続力」「共感力」を問うような問題ばかりです。

これらのポイントを押さえて受験対策をすることで合格に近づきます。狭き門ではありますが、あきらめることなく対策をしましょう。

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